Thursday, January 21, 2016

ヘイト・スピーチ研究文献(50)地方自治体はヘイト団体に協力してよいか

前田朗「公共施設のヘイト団体による利用――東京弁護士会意見書を読む」『部落解放』718号(2016)

税金を用いて運営される公共施設を利用してヘイト集会を行うことが続いている。地方自治体はヘイト団体に協力している。人種差別撤廃条約第1条、第2条、第4条に照らして許されない犯罪的行為である。私は以前から批判してきたが、憲法学者の中には、「ヘイト・スピーチ目的であっても、地方自治体は公共施設の利用を制限できない」などと主張する例が見られる。昨年秋、東京弁護士会が公表した意見書はこの問題についてよく考えた的確な内容である。地方自治体の関係者は東京弁護士会意見書を学ぶべきである。