Monday, January 04, 2016

闘う翁長沖縄県知事の原点と現点

翁長雄志『闘う民意』(角川書店)
辺野古基地建設阻止のために奮闘する翁長沖縄県知事の最新刊である。
自民党出身の保守政治家であるが、辺野古基地建設反対のためのオール沖縄を実現し、県民の先頭に立って行動 し、発言する「雄」と「志」。
県知事当選から4か月間、何度申し入れをしても安倍首相や菅官房長官に面会できなかった時期のこと。
沖縄の基地に関する事実を質問しても安倍首相がろくに答えもしなかったこと。
 基地問題による“魂の飢餓感“を訴えても言葉が伝わらないもどかしさ。基地問題でアメリカ訪問しても「日本の 国内問題」と言われ、日本政府に掛け合っても「アメリカの問題」と逃げられた時期のこと。
 そして2015年9月、ジュネーヴの国連人権理事会で発言した成果。
 日米安保体制に賛成し、保守政治家を自任してきたが、日本の民主主義の危機を強くアピールする。沖縄に基地を 押し付ける「民主主義」という名の「独裁」は、日本そのものを堕落させ、腐らせるからだ。

 第4章「苦難の歩み、希望への道」では、沖縄戦で亡くなった人々の遺骨を収集して慰霊碑を建立した父親・翁長助静(真和志村村長、真和志市長、立法院議員)の事績を紹介しつつ、保守系政治家一家に生まれた自分の政治家への道を振り返り、政治家としての原点を語る。特に基地問題をめぐって県民が対立し、分裂する悲劇に終止符を打ちたいという思いを再確認している。それが後の沖縄県知事選出馬に繋がっている。