各紙が報じているように、ソウル高裁が靖国神社「放火犯」を「政治犯」と認定して、日本に引き渡さないとの決定を出した。すでに釈放され、近日中に中国に出国するという。
読売新聞
産経新聞
韓国BBS
以上の記事には重要なことが脱落している。ソウル高裁が「政治犯」と認定した理由が、きちんと書かれていない。
朝日新聞1月4日朝刊は、はっきりと「引渡しは韓国憲法に違反し、多数の文明国の普遍的価値に反する」と判断した、と書いている。ただし、以下のサイトにはそこまで掲載されていない。
韓フルタイムも「多くの文明国家の普遍的な価値」と明示している。
放火犯を「政治犯」と認定し、引き渡しを拒否した結論の当否をあれこれ感情的に論じてもあまり意味はない。
重要なのは、「靖国神社放火犯を日本に引き渡すことは文明国の普遍的価値に反する」という論理をきちんと理解し、その当否を論じることだ。
侵略戦争を美化・正当化し、アジア諸国に対する差別と蔑視をあおりたて、首相参拝という形で国家介入を招き、しばしば政治問題を引き起こしてきた靖国神社の存在そのものが、文明国の普遍的価値に反する、ということをきちんと議論するべきだ。
ここから見れば。靖国神社側の宗教の自由という虚言がはっきりする。
しかし、靖国神社の実態は宗教の自由とは関係なく、むしろ宗教と信仰の自由の否定である。他者の宗教の自由を否定し、特定の宗教を国家権力をもって強制してきたのだから。
次に問われるべきは、文明国の普遍的価値とは何か、である。