Friday, January 25, 2013
小出裕章・佐高信『原発と日本人――自分を売らない思想』
小出裕章・佐高信『原発と日本人――自分を売らない思想』
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321209000068
<原発体制を断ち切るには。反原発の原点をなす思想と諦めない精神を提言する>
小出の本はこの2年にずいぶんと読んだ。次々と出版されて、だいたい同じ話になっているが、本書は佐高との対談なので、原発に関する知識とは別に、個人的なことや、やや感情的なことも出てくるので、おもしろい。
原子力に未来の希望を見たことや、女川原発反対運動のことや、熊取六人組のことは、これまでに何度も書かれている。それでも、本人の言葉で、会話調で読むとやはり面白い。
東電、原子力ムラ、経産省、政治家の無責任に対する批判は、もうどれほど語られたかわからない話だが、佐高は、彼らは反省しない、と断言する。東電が原発をあきらめることはない、と。それでも、反原発をあきらめずに闘い続け、一つひとつ廃炉を勝ち取っていかなければならない。小出の闘いは、これからも続く。
岡部伊都子、高木仁三郎、熊取六人組、田中正造、松下竜一らに関心のある人にもお勧め。
もうひとつ、「騙された側の責任」に関して、伊丹万作の「戦争責任者の問題」『映画春秋』1946年8月、が全文紹介されているのが重要。