Wednesday, June 26, 2013
ヘイト・スピーチ処罰実例(13)
イタリア政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/ITA/16-18. 21 June 2011)によると、2009年に有名な政治家に関する2つの判決が出た。
2009年10月26日、ヴェニス司法裁判所は、略式手続で、トレヴィソ副市長のジャンカルロ・ジェンティリニを人種的憎悪で有罪とし、4000ユーロの罰金、及び3年間の公共集会参加禁止を言い渡した。ジェンティリニは、2008年、ヴェニスで開かれた北部同盟党の集会で移住者に対する侮辱的言葉を侮辱的調子で用いた。弁護人は控訴すると表明した。
2009年7月、破棄院は、ヴェローナ市長のフラヴィオ・トシに対する2か月の刑事施設収容(プロベーション付き)とする有罪判決を確認した。トシは、2001年、議員だった時期に、ヴェローナでジプシー・キャンプを移転させる署名運動をおこした。北部同盟党は、7人のシンティ市民およびノマドのための全国行動という団体から裁判をおこされた。2004年12月、ヴェローナ司法裁判所は、人種主義的思考の促進と、差別行為の煽動により6か月の刑事施設収容とした。しかし、2007年1月、ヴェニス控訴裁判所は、人種憎悪の煽動の訴因は認められないとして、2か月の刑事施設収容とした。次いで、2008年10月、ヴェニス控訴裁判所は、人種主義的思考のプロパガンダがあったとして有罪とし、2009年7月、破棄院がこれを認めた。