Monday, November 11, 2013

税金も軍隊も死刑もない国アンドラ

11日、パレ・ウィルソンで開催中の拷問禁止委員会はアンドラの第1回報告書を審査した。アンドラには2005年夏に行ったことがある。軍隊のない国家の調査のために、あの夏は、リヒテンシュタイン、モナコ、サンマリノなど各地を回った。アンドラへは菫の町トゥールーズからバスだった。トゥールーズを出てしばらくすると、南西部フランスの街並みはどんどんスペイン風になっていく、と当時思ったが、それはスペイン風ではなく、カタロニア風というべきだったことが分かる。高速をおりて、アンドラ・ラ・ベッリャにつくと、小さな素敵な田舎町だが、中心部のメインストリートには世界の商品があふれていた。税金のない国家で、世界の商品が集まる。ピレネー山中にあるので、夏はスペインからの避暑地となる。冬はスキー場だ。これで温泉があれば日本からの観光客が増えるのだが。国会と裁判所を訪れて、見せてもらったのを思い出す。拘置所はいま使っているからということで、入れてもらえなかったが。拷問禁止委員会の審査は、アンドラ政府から7人、傍聴NGOはたった2人。先週まで来ていたNGOは誰も来なかった。1人、始めて見る女性が一番端に座っていた。40名ほど入れる傍聴席はガラガラ。アンドラの初めての報告書だが、欧州拷問禁止条約とその選択議定書には前から入っているので、報告書は手慣れた感じで書いてある。税金や軍隊だけでなく、死刑もない。しかも、憲法に死刑禁止と明示している国だ。ブルニ委員が、国内人権機関が不十分、刑事施設の外部交通につき2007年欧州拷問禁止委員会で改善の約束をしたが、どうなったか、など質問。ワン委員は、ヘイトや不寛容に対する反レイシズムの立法が不十分、人身売買の犯罪化はどうなったか、国連人権理事会の普遍的定期審査で「市民でない者non-citizens」が権利を享受することを保障するよう勧告されているのを受け入れていない理由は何かと質問していた。ドマ委員は、法律家や警察官の訓練研修、独立性と専門性の研修について質問していた。アンドラには大学がないので、みなスペインの大学に行き、専門家となって帰ってくるので、アンドラ自身で専門性の研修を準備するのは大変だろう。