Friday, March 09, 2018

国連人権理事会で「慰安婦」問題の発言をした


3月9日、ジュネーヴの国連欧州本部で開催中の国連人権理事会37会期の議題3の討論において、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田朗)は次のように発言した。9日の午前の部の最後の発言だった。


<第2次大戦時における「慰安婦問題」、日本軍性奴隷制の最近の状況について紹介する。日本政府は1996年以来、国際人権機関からのあらゆる勧告を拒否してきた。今年2月27日、韓国のソウル大学調査チームは、1944年に米軍が撮影した映像を公表した。それは19分の映像で、米国公文書館に保管されていた。映像が撮影されたのは1944年の中国で、米軍通信隊のメンバーによる。映像はオンラインで見ることができる。ソウル大学調査チームによると、映像は、日本軍に性奴隷とされ被害を受けた韓国女性の主張を裏付けるもので、日本軍は戦後に慰安婦を殺害した、という。この映像についてのより詳しい情報が必要である。日本政府には、映像について国際社会に説明する責任がある。

今年2月27日、日本政府は国連人権理事会で次のように発言した。「2015年の日韓合意によって慰安婦問題は『最終的かつ不可逆的に』解決した」。

日本軍性奴隷制は単に日韓の2国間問題ではない。日本軍性奴隷制は、1945年の日本敗戦までアジア太平洋地域全域で行われた。被害者はコリアンだけでなく、中国人、台湾人、フィリピン人、マレーシア人、インドネシア人、東ティモール人、パプアニューギニア人、オランダ人の女性である。日本政府には国際法の下ですべてのサバイバーに補償を提供する責任がある。サバイバーには補償を受ける権利がある。国連人権理事会が日本軍性奴隷制の歴史の事実を調査するよう要請する。>


先週の人権理事会で、韓国外相と日本の外交官が「慰安婦」問題・日韓合意をめぐって非難合戦をして、「慰安婦」問題は注目を集めていたので、ちょうど良いときに発言できたと思う。

ソウル大学調査チームが発表した映像はオンラインで見たが、映像だけを見てもその証拠価値がわからない。映像以外にも文書を入手して発表したようなので、それらの文書と映像を関連資料と対比しながら検討する必要がある。そこで、今回の発言は「もっと情報が必要だ。日本政府には説明責任がある。人権理事会に調査を要求」という流れにした。