8月8日、CERDはメキシコ報告書の審査を始めた。
鄭鎮星委員が、メキシコにおけるコリアン・コミュニティについて質問していた。日本による植民地支配時代に朝鮮半島を離れたコリアンのコミュニティがメキシコにあるはずだが、どうなっているか。
中米に日本人移住者のコミュニティがあることは知っていたが、コリアン・コミュニティのことは知らなかった。メキシコ政府代表も知らないようだった。
メキシコ政府がCERDに提出した報告書(CERD/C/MEX/18-21. 25 August 2017)
50以上の国際文書に明示された義務を果たすための差別予防・撤廃モデル法に基づいて、地方ごとに反差別法がある。政府差別予防委員会は文化的社会的発展、社会統合、平等の権利保障の政策と措置を行う責任を有する。委員会は私人や連邦当局による差別行為についての不服申し立てを受理し、解決する責任を有する。
2014年、ソーシャルネットワーク上の欧州評議会の「ノー・ヘイト・スピーチ運動」を導入する決定がなされ、「若者――レッテル張りしない」キャンペーンを採択し、ヘイト・スピーチと闘うインターネット行動を採用した。当初は13歳以上18歳以下を対象としたが、2015年に24歳に引き上げた。目的は、平等を求める闘いに参加しようとする人々に、ソーシャルメディアでヘイト・スピーチと闘うための情報、見解、写真、ヴィデオ映像等を提供することである。フェイスブック・キャンペーンでは22万3500人が参加し、「私の衣服は劣等性を意味しない――文化の豊かさを表現するものだ」を投稿した。ツイッターでは105万9631回アクセスがなされた。
司法領域では、被告人の人種・民族的出身が刑事手続きやその結果において刑罰加重事由とされてはならない。犯罪被害者が人種・民族の理由で被害を受けやすい集団に属する場合、判決は刑事訴訟法第410条に従い、犯罪が人種に動機を有する文脈や可能性を考慮し、有罪とされた実行犯の刑罰加重事由となりうる。
2012~16年、人種主義や人種差別に関する訴訟は8件あった。そのうち2件は判決に至った。残りは棄却されたか、又は訴追に至らなかった。
差別被害者が司法手続きの費用や複雑さ故に困難があるので法律扶助がある。
民事訴訟でも人種差別被害者は証明責任を十分果たせないことがあるので、裁判所決定によって援助がなされる。先住民族発展委員会を通じて、住居、健康、子どもの養育、エコツーリズム、食料、文化、放送等に支援をするのと同様である。先住民族の権利保護のための法律扶助は、25州で実施されている。