Monday, August 19, 2019

ヘイト・クライム禁止法(161)モンゴル


モンゴル政府がCERDに提出した報告書(CERD/C/MNG/23-24. 12 November 2018

前回審査の結果、CERDはモンゴル政府に、条約4条に従って人種主義ヘイト・スピーチを禁止するよう勧告した。2015年制定、2017年施行の刑法改正は、第14章「人格的政治的権利と自由に対する犯罪」、14章1条「差別」、14章2条「情報を求める権利の妨害」、14章3条「表現及びプレスの自由権の侵害」、14章4条「良心と宗教の自由権の侵害」を定める。刑法14章1条は、国籍、民族、言語、人種、年齢、ジェンダー、社会的背景・地位、財産、職業、職務の地位、宗教、意見、教育、性的志向、健康状態に基づいて人々の権利と自由に対する差別や制限、は、450~5400ユニットの罰金、又は240~720時間の社会奉仕命令、又は1月以上1年以下の旅行禁止に処する。

刑法19章9条は、「国民統合の妨げ」であり、国民、民族、言語、人種又は宗教的敵意及び憎悪を人々の間にかき立てるプロパガンダ、及び分離主義、差別、虐待、制約の助長、唱道する活動の組織化は、5年以上12年以下の刑事施設収容とする。

2017年9月の司法大臣命令によって、刑法、刑事訴訟法、犯罪法、犯罪手続き法、執行法等の効果的履行のための作業部会が設置された。

上記犯罪に関連して、モンゴルには登録上違法な犯罪組織は存在しない。ナショナリズムを唱道する集団や運動は18団体の登録がなされている。そのうち8団体は、ダヤール・モンゴル、ツアガーン・カース、タリン・ツーヴー・チョノ、カース・モンゴルなどである(*これらの発音も意味内容もわからないが)。NGO法第6条に基づいて登録したNGOについては、一定の場合に裁判所が解散を命じることができる。刑法第9条2項は、法人の刑事責任を定める。

ダヤール・モンゴルについて、(前回報告書において解散するか否かの手続きが始まったと報告したが)解散させていない。