ウズベキスタン政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/UZB/8-9.
13 May 2013)によると、憲法第57条は「戦争や、社会的民族的人種的宗教的対立を唱道すること、人員の健康道徳を低下させること、民族的宗教的基準で議会内党派や政党を結成することで、憲法体制を実力で変更さ使用とする政党や結社を禁止している」。1996年の政党法、1999年のNGO-NPO法、1998年の良心の自由と宗教団体法も同様の趣旨を盛り込んでいる。
2007年のマスメディア法改正は、戦争、暴力やテロ、宗教的過激主義、分離主義や原理主義、のためのプロパガンダ、又は国民的人種的民族的宗教的敵対を煽動する情報の流通を行ってはならないとしている。
刑法156条「民族的人種的宗教的憎悪の煽動」は、国民的出身、人種、民族的背景又は宗教に基づいて人の集団に向けられた敵意、不寛容、不調和を煽動し、直接又は間接に権利を制限し、国民的出身、人種、民族的背景又は宗教に基づいて直接または間接の特権を拡大しようとして、民族共同体の名誉と尊厳を攻撃し、支持者の感情を煽動することを、五年以下の自由剥奪としている。
刑法141条のもとで、性別、人種、民族集団、言語、宗教、社会的背景、信仰、個人の地位又は社会的地位に基づいて市民の権利を侵害、制限したり、特権を付与することは、最低賃金の五〇倍の罰金とする。
刑法97条2項は、故意の殺人が民族的又は人種的敵意を動機とした場合、一五年以上二五年以下、または終身自由剥奪刑とする。傷害罪についても刑罰加重事由としている。
2010年、2011年、2012年前期に、労働社会保護省は人種差別事案の申し立てを受け取っていない。
司法統計では、2010年、刑法156条の「民族的人種的宗教的憎悪の煽動」で有罪判決の言い渡しを受けたのは、刑事裁判の0.12%、2011年は0.1%、2012年前期は0.08%である。
人権コミッショナー(オンブズマン)が市民の権利侵害の申し立てを受け取る。ウズベク市民、在住外国人、無国籍者も申し立てできる。良心の自由に関して、オンブズマンは2010年に、宗教的理由で拘禁、訴追、有罪判決を受けたという288の申し立てを受けた。2011年にこの申し立ては減少したが、オンブズマンは良心の自由と宗教団体法が適切に適用されていないと見ている。
検察統計によると、2011年と2012年前期、刑法156条について、過激宗教団体のゆえに二〇名について捜査が行われた。刑法141条の事案はない。
NGOの主張によると、権利侵害の申し立ては、労組連合では89%が女性、1.02%が青年、9.7%が障害者からであった。