Sunday, September 30, 2012

はるなつあきふゆ芸術実行犯


ChimPom『芸術実行犯』(朝日出版社)


 

今日は、相模大野グリーンホールで、社会派コント集団ザ・ニュースペーパー公演だった。


 

夕方から台風接近で激しい風なので、早々に帰宅して、UAの「HORIZON」や「太陽手に月は心の両手に」など聞きながら、本書を読んだ。

 

<美術館で拝むだけがアートではない。アートは社会のリアルに切り込むための「武器」である。

 原爆ドーム上空に飛行機雲で「ピカッ」の文字を描き、事故直後の福島第一原発敷地内に放射能マークの国旗を掲げ、岡本太郎の巨大壁画に原発の絵を付け足す。現代日本のアートシーンで最も物議をかもしてきたアーティスト集団ChimPom(チン↑ポム)が自由を新たに塗りかえる。

 世界のアートの動向と共におくる生き方としての美術入門。「これからのアイデア」をコンパクトに提供するブックシリーズ第3弾。画期的なブックデザインはグルーヴィジョンズ。>

 

『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(河出書房新社)でも社会的に話題となり、岡本太郎壁画「追加」事件でも大騒ぎとなった、「自称美術家」「騒がせや」「一発屋」のChimPomだ。

 

どんな奇想天外の話で楽しませてくれるかと思ったら、本書は、ChimPomの歴史、歩みを概説しつつ、ストリート・アート、アクテヴィズムについて論じた著作だった。美術館におけるアート、制度化されたアートとは別に、屋外で、路上で、社会に、現実に介入し、人々に価値観の転換を迫る問題提起の書だ。

 

「スーパーラット」「オーマイゴッド」「アイムボカン」から、「広島の空」を経て、3.11以後におけるアートの可能性に挑戦し、自らの退路を断ったChimPomの「覚悟」「心意気」がよくわかる。

 

「アートで世界はひっくりかえる」、そして「アートが新しい自由をつくる」へと、手を変え、品を替え、自分を作り、アートをつくり、アートを楽しみ、世界を愉しむChimPom

 

まもなく第二作品集が出ると予告されている。楽しみだ。