政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/LUX/14-17. 29
May 2013)によると、条約第四条については次の僅かな記述しかない。「犯罪の人種的動機はルクセンブルクでは刑罰加重事由としていない。というのも、ルクセンブルク刑法にはそもそも刑罰加重事由を認めていない。」
人種差別撤廃委員会はルクセンブルク政府に次のような勧告をした(CERD/C/LUX/CO/14-19.
13 March 2014)。刑法が人種的動機を刑罰加重事由としていないという事実に関心を有する。委員会は、人種的動機を刑罰加重事由とするべきという勧告を強調する。ルクセンブルクでは人種差別を煽動する団体をアプリオリに禁止することができ、裁判所の判決によって処罰し、解散させることができるという説明に留意する。刑法が法人を処罰し、それには人種差別を煽動する団体が含まれる、という説明に留意する。しかし、遺憾なことに、人種差別を煽動する団体を特別に禁止し、違法とする法律を採用していない。委員会の一般的勧告第一五号及び第三五号を想起し、委員会はルクセンブルクが条約第四条の全ての要素を法律に導入するよう勧告する。人種憎悪を煽動する団体を禁止し、解散させた司法手続きに関する情報を提出するよう要請する。