Saturday, July 25, 2015

ヘイト・スピーチ研究文献(28)ヘイト・スピーチを受けない権利

前田朗「国連人権理事会ヘイト・スピーチ報告書」『部落解放』711号(2015年7月)
雑誌『部落解放』に「ヘイト・スピーチを受けない権利」という連載を始めさせてもらった。
「ヘイト・スピーチ を受けない権利」は、日本国憲法13条の個人の尊重と幸福追求権、憲法14条の法の下の平等、憲法21条の表現の自由(特にマイノリティ の表現の自由の優越的地位)を根拠に、日本国憲法が保障している権利である。パナマ政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書の中でこの言葉を使っていたので、借用することにした。日本の憲法学者の多くは、まったく逆に「マジョリティがヘイト・スピーチをする自由。マイノリティがヘイト・スピーチを受忍する事実上の義務」を主張している。
連載第1回では、冒頭に、本年3月20日にNGOの国際人権活動日本委員会(前田朗)が、国連人権理事会で行った発言を紹介した。リタ・イザク「マイノリティ問題特別報告者」の最新報告書に、のりこえねっとの活動が紹介されていたので、これに感謝を表明して、情報提供を行った。その発言要旨を紹介したうえで、本論では、リタ・イザク報告書の主な内容を紹介した。