心が震え、身体が震える。
涙が溢れ、思いが揺れる。
優しくも、哀しい、辛く、そして極上の時間。
紀伊國屋サザンシアターで『父と暮らせば』を観劇した。井上ひさし原作、演出は鵜山仁、出演は辻萬長と栗田桃子。
二人芝居の凄味に肺腑が抉られ、いつまでもゆすぶられる。
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「被爆者たちは核の存在から逃れることのできない二十世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ」(井上ひさし)
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人間はどんな絶望の中においても生き抜かなければならない。
今から70年前の夏、ヒロシマに投下された原子爆弾。
残された膨大な被爆者の手記の中から編まれた今こそ語り継ぎたい井上戯曲。
生き地獄のヒロシマを舞台に繰り広げられる父と娘の優しくも壮絶な命の会話を通して
平和の尊さを後世に語り継ぐこまつ座渾身の作品。
2008年から栗田桃子の娘・美津江と辻萬長の父・竹造で数々の賞に輝き、
演出家・鵜山仁が希望への祈りを込めて、幸せとは何か、平和な日常を取り戻すとは何かを問う。(こまつ座ホームページより)
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井上ひさしが遺した『父と暮せば』(初演1994年)、
『木の上の軍隊』(蓬莱竜太・作/2013年)、
『母と暮せば』(山田洋次・監督/2015年冬公開予定)
戦後70年、『戦後命の三部作』ここに完成。(こまつ座ホームページより)
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従来、一部のファンの間で、『父と暮らせば』『紙屋町さくらホテル』『少年口伝隊1945』が「ヒロシマシリーズ」「ヒロシマ3部作」と呼ばれていた。「東京裁判3部作」や「昭和庶民伝」のように、井上ひさしが命名したわけではない。こまつ座は、沖縄戦を題材とした『木の上の軍隊』、ナガサキを舞台とした『母と暮らせば』と合わせて「戦後命の三部作」と命名したと言う。『木の上の軍隊』は初演を見た。『母と暮らせば』も観よう。