Tuesday, August 09, 2016

ハンセン病者差別をめぐる議論(国連人権理事会諮問委員会)

9日、国連欧州本部で開催されている人権理事会諮問委員会17会期は、ハンセン病者差別について議論した。このテーマは、国連人権委員会の人権小委員会時代に始まり、国連改革後に人権理事会諮問委員会に引き継がれた。日本政府と日本財団が力を入れているため、日本の委員が担当してきた。坂元茂樹委員が『諸原則とガイドライン』をまとめたので一段落したかと思ったが、その後も議論が続いている。現在、起草委員会長が小畑郁委員、報告書担当者がイメル・タマラ・イゲズ委員である。
最初にイゲズ委員が新しい報告書『ハンセン病の影響を受けた者とその家族に対する差別撤廃のための諸原則とガイドラインの実施に関する進展報告書』(A/HRC/AC/17/CRP.1. 29 July 2016)をもとにプレゼンテーションした。イゲズ委員は、『諸原則とガイドライン』はよくまとまっているとしつつ、さらなる改善を求められたことを受けて、いくつか検討した。意識喚起と『諸原則とガイドライン』の配布、政策決定過程への参加、市民的政治的権利、経済的社会的文化的権利、女性・子ども・被害を受けやすい集団、差別的政策と法、『諸原則とガイドライン』実施のフォローアップと監視等である。日本政府の支援、日本政府からの情報、日本政府のシンポジウムに参加など、何度も日本政府に礼を述べていた。報告書には日本財団の名前も出てくる。
小畑委員の補足発言に続いて、エチオピア政府が関連発言をしたが、日本政府はなぜか発言しなかった。
日本政府が世界各地でハンセン病者差別対策に財政支援をして取り組んでいるのは良いことだ。人種・民族差別の撤廃にもその1%の力くらい費やしてほしいものだ。と言うよりも前に、日本政府が主導している人種・民族差別をやめてもらいたい。