Sunday, August 21, 2016

パウル・クレー・センター散歩

もう10数回来ているが、センターはいつも楽しい。毎回、展示が変わる。いろんな企画展が見れる。初めて見る作品が、いつもある。今回も10数点は初めてだった。
1階のホールでは「動きの中の絵画」、動きのある絵画というテーマで、選ばれたクレー作品が展示されている。3月にもやっていたので同じかと思ったら、展示内容は変わっていた。
春、夏、秋の3部構成で、順次、構成を変えるという。全部見る客にはとても贅沢な展示だが、秋は来ることができないのが残念だ。
クレーの作品は小さい中にいろいろな動きがある。矢印を書いた作品は、当時、絵画に記号を使うなんてと不評だったこともあったようだが。今回は展示されていないが、天使シリーズの多くも、右を向いたり、足がステップを踏み始めるところなので、よく見ると動く方向が分かる。植物の絵にしても、生長を示したものが目立つ。そして、ミュジシャンの演奏シーンや、綱渡りのバランスなど。

2階のホールでは「私は画家である」展をやっていた。有名なチュニジア旅行の際の言葉として、「色彩が私をとらえた」とともに「私は画家である」。もちろん、それ以前から画家だったが、チュニジアの光の中で、新たに画家として生まれ変わったクレー。展示は章の年時代から晩年まで、クレーの主張作品を時代順に並べた、入門編だ。こちらには初めてみる作品が結構あった。クレーの全作品9000余のうち4000がセンターにある。長年通っているので、たぶん1000点以上は見たと思うが、まだ見ていないものも多い。また、クレーが使った筆や道具も展示してあった。と思ったら、クレーの絵画技法をいくつかにわけて解説していた。ナイフの使い方、スプレーの使い方、網や、テープの使い方など。後で気づいたが、クレーの指人形が一つもなかったのは、他のどこかで展示しているのだろう。