Thursday, December 31, 2020

2021年のはじめに

新型コロナ禍のため世界が変わった2020年に続く今年はどういう1年になるのだろうか。大晦日には感染者1300人を超えたというニュースが流れた。誰にも予測できない不安な年の始まりだ。ウイルス開発が進んでいるが、副作用問題もあり先行きは不透明だ。

資本主義の限界、格差と貧困、地球環境破壊と汚染、激化する人種・民族差別、宗教・文明・文化のつくられた対立――

ITAI、宇宙産業、イノベーション、「新しい生活様式」――

日本政治・経済の文脈では、2018年の明治150周年、2019年の天皇代替わり、2025年の大阪万博、2027年のリニア新幹線、2030年の札幌五輪と組まれた国策イベント(日本資本主義の再生・延命策)の最重要行事である2020年の東京五輪は2021年に「延期」となった。

新型コロナの現状から言って、五輪反対論者でなくても、五輪開催などとんでもない、ありえない、と考えるのが良識というものだろう。

しかし、この国の資本は良識など意に介さない。何が何でも五輪開催とばかりに、着々と準備が進められ(規模の縮小も含みこみつつ)、自然にやさしい、環境にやさしいなどフェイクPRも活用しながら、強引に五輪開催に突入しようとしている。

とはいえ、最後の決定はアメリカ(国家、資本、TV、スポーツ界)の判断(要請)になるのではないだろうか。重要な政策決定を自分ではできないこの国の政治家と官僚を見ていると、そう思わされる。アメリカの顔色をうかがいながら、IOCが決定するのだろう。

個人的には3月で勤務先を定年退職となる。自由にのびのびと、やりたい放題を許してくれた勤務先、とても居心地が良い職場であった。

おかげで、教育、研究面でもマイウェイを貫くことができた。1992年に初めて出した単著『鏡の中の刑法』以来、28年で単著28冊、共編著・訳書等は100冊を超える。

この1年も比較的ハイペースだった。

前田朗『ヘイト・スピーチと地方自治体――共犯にならないために』(三一書房)

https://31shobo.com/2019/09/19007/

前田朗編『美術家・デザイナーになるまで――いま語られる青春の造形』(彩流社)

https://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2634-5.html

前田朗『500冊の死刑――死刑廃止再入門』(インパクト出版会)

http://impact-shuppankai.com/products/detail/290

前田朗『憲法9条再入門――その理念と思想を生かすために』(三一書房)

https://31shobo.com/2020/06/20004/

斎藤貴男 前田朗『新にっぽん診断――腐敗する表層、壊死する深層』(三一書房)

https://31shobo.com/2020/10/20008/

今後の情報発信と生活スタイルをどうするか。John Lennonを聴きながら、年末年始にあれこれ考えたが、これまでと同じようにできることを続けていくという平凡な結論に落ち着いた。

これまで取り組んできたテーマをさらに追究することにした。平和と人権の市民運動と研究だ。

もっとも、従来と違う点も出てくる。何よりも、この4半世紀、春休みと夏休みはジュネーヴに滞在して、国連人権機関に通ってきたが、20203月には国連人権理事会に参加していたものの新型コロナのパンデミックとなり、途中帰国せざるを得なかった。20208月は出入国できず、4半世紀ぶりに東京の8月を経験した。

所属団体を絞る必要がある。これまで学会や法律家団体の他に、さまざまな運動体の会員となり会誌をもらい、集会等に参加してきたが、所属団体を徐々に減らしていく予定だ。

かねがね、定年退職したら古典に耽溺、と思っていた。あれも読みたい、これも読み直したい。人文・社会科学の古典だ。学生時代に世界の名著や文学全集類の古典を読み漁った。大学院時代には社会科学方法論という意識からやはり古典に挑んでいた。その後、古典に浸る時間を作ることがなかなかできずに来た。

とはいえ、現代文学も読みたい。エンターテインメントの傑作も愉しみたい。あれも読みたい、これも読みたい。

だが、それだけの時間はとれないだろう。優先順位をつけるしかないが、おのずと決まっていくだろう。

当面はのんびり様子を見ながら、「ニューノーマル」ではない生活スタイルを探っていきたい。