Sunday, February 17, 2013

疾風怒濤の日本ジャズ草創期の記録

グランサコネ通信2013-01                                                                                                                                                                                                                   相倉久人『至高の日本ジャズ全史』(集英社新書、2012)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          1931年生まれの音楽評論家による日本ジャズ草創期の体験史である。「全史」とあるが、1970年ごろまでしか扱っていない。その後は飛躍期ということのようだ。ニューオリンズでジャズが発祥してすぐに日本にも伝わっていたというが、やはり本格的な導入は1950年代からになる。次々と来日したジャズ・ミュージシャンのエピソード、そしてこれに学びながら育った日本ジャズ初期の人々。秋吉敏子、渡辺貞夫、守安祥太郎、日野晧正、そして山下洋輔を軸に、多彩なミュージシャンたちが織り成した60年代ジャズ・シーン。コンボ、新世紀音楽研究所、草月、銀巴里、ピットイン、ジハンナ。才能とエネルギーのぶつかりあい、裏切り、そしてテイクオフ。著者は楽器を持たず、「言葉によるジャズ」を標榜していたが、日本ジャズ確立とともに、ジャズだけではなく幅広い音楽評論家になっていく。当時のことは知らないが、70年代後半の学生時代、ピットインに数回出入りしたので、わずかだけ匂いがわかる。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                ***                                                                                                                                                                                                                                                                                                              16日にジュネーヴに来た。少し前に結構な雪が降ったので、一面の銀世界だ。18日から国連人権理事会平和への権利作業部会が始まる。