Wednesday, February 27, 2013

国連人権理事会22会期始まる

グランサコネ通信2013-09                                                                        *                                                                                                   2月25日、国連人権理事会22会期が始まった。25日から27日まではハイ・レベル・セグメントと言って、各国の大臣クラスの演説大会だ。外務大臣、法務・司法大臣、人権大臣、あるいは副大臣、人権委員会議長などが相次いで演説をする。それぞれ10分間。初日25日の冒頭は、イラク副大統領のアル・クザイエ、続いてコロンビア副大統領ガルソン、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ外務大臣ラグンジャ、オランダ外務大臣ティマースマン、と続いた。26日午前に日本のToshiko Abe, Parliamentary Vice-Minister for Foreign Affairsが演説したようだが、聞き逃した。日本代表が女性だったのは珍しい。                                                                                              各国の演説はそれぞれ特徴があるが、大きく言えば、第1に、自国の人権政策の説明、特に最近の政策展開を報告するもの、第2に、その中でも女性や子どもに関連した人権状況と人権政策を報告するもの、第3に、他国の人権状況を非難するもの、第4に、非難に対して反論するもの、であろうか。10分間の演説の中に、これらの要素をいれている。                                                                                                           個別テーマでは圧倒的にジェンダー関連が多いのは、以前から見ると、かなりの前進だ。だが、発言者は、75か国のうち、女性は8人だ。ノルウェー国務長官グリ・ラーセン、フランスのヤミナ・ベングイギィ、モルディヴのジェンダー大臣マリアム・シャキーラ、難民高等弁務官事務所のスタッフのエリカ・フェラー、イェメン人権大臣フーリア・マショイ、セネガル司法大臣アミナタ・トーレ、セルビア外務副大臣ロクサンダ・ニンチチ。67人の男性の過半数が、女性の人権を強調していた。男が男の人権を語っていた時代からは大幅な前進だが、男が女性の人権を語る時代で、まだまだ女性はほんのわずかだ。いつか女が男の人権を語る時代が来るだろうか。                                                                                                             上記第3の他国の状況批判は、いつも同じパターンになる。27日の冒頭のアイルランド外務大臣ギルモアは、EUを代表して発言したが、シリア、マリ、朝鮮、イラン、ミャンマーを矢継ぎ早に非難した。次のベルギー副首相・外務大臣レインダースはシリアとコンゴ民主共和国を非難した。実に見事に西欧中心主義の極致なのだが、そんなことは気にもしていない。ジンバブエ司法大臣チナマサが、人権問題に関するダブル・スタンダード批判をした。事前に用意した文書を読んでいたから、EUやベルギーへの応答ではなく、いつものことだからだ。セネガル司法大臣トーレも、アフリカの歴史を配慮せよ、という趣旨のことを少し言っていた。それが人権侵害の容認につながれば誤りだが、西欧諸国による第三世界たたきには、いくつもの国がダブル・スタンダードだと反発している。西欧諸国は、アフリカにおける戦争犯罪や人道に対する罪を激しく非難する。それは正しいが、西欧諸国は、アフリカおける西欧諸国による戦争犯罪や人道に対する罪には口を閉ざす。この点はずっと変わらない。右手で殺しながら、左手で救援し、口では相手を非難する。この不正義はまだまだ続くのだろう。