Wednesday, February 20, 2013
平和への権利作業部会に福島原発事故の報告
グランサコネ通信2013-06
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(1)宣言草案9条「発展の権利」
20日午前、国連人権理事会平和への権利作業部会は、宣言草案9条の審議に入った。
政府は、ペルー、イラン、セネガル、シンガポール、ベネズエラ、EU、アメリカ、モロッコ、ロシア、インド、キューバ、セネガル(2回目)、キューバ(2回目)が発言した。
EUは、発展の権利と平和のつながりは認めるが、発展の権利国連宣言がすでにあるし、作業部会もあるから、平和への権利宣言で議論する必要はないと批判した。
アメリカは、発展の権利を平和への権利に取り入れるのは不適切、他の場ですでに議論してきたし、これからも議論できる、と批判した。
ロシアは、9条を支持し、平和への権利の要素の一つであると述べた。
NGOでは、アメリカ法律家協会(ロベルト・サモラ)、国際平和メッセンジャー、世界女性組織(ムトゥア・キンガ・コビア)、欧州第3世界センター(オズデン・メリク)が発言した。
世界女性組織のコビアは男性だが、アフリカの女性の状況、差別と貧困について述べて、発展の権利の重要性を訴えた。
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(2)宣言草案10条「環境」
続いて10条の審議に入り、政府では、コスタリカ、ペルー、シンガポール、イラン、EU、キューバ、シンガポールが発言した。
EUは、環境についてはすでに人権理事会も取り組んでいるし、気候変動については京都議定書もあり、条約化されているから、平和への権利宣言に入れる必要はないと批判した。
NGOでは、国際平和メッセンジャー(カルロス・ビヤン)、国際人権活動日本委員会JWCHR(前田朗)が発言した。
JWCHRは、福島原発事故の被害の広がりを報告し、環境破壊によって故郷が喪失したとし、核兵器廃絶のみならず原発廃絶、「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ」「チェルノブイリ・フクシマ」がスローガンだとし、コスタリカ憲法裁判所の2008年判決の重要性を指摘した(発言内容は前年の笹本潤発言を借用し、一部訂正したもの)。
(3)宣言草案11条「被害者と被害にさらされやすい集団の権利」
ペルー、イラン、アルジェリア、EU、ロシア、シンガポールが発言した。
EUは、被害者については各種の人権条約があるうえ、重大人権被害者の権利回復のガイドラインもできているから、この議論は不必要だと批判した。このパターンが続く。
(4)宣言草案12条「難民と移住者」
ペルー、グアテマラ、セネガル、キューバ、コスタリカ、アメリカ、ロシア、パキスタン、イラン、モロッコ、EU、シンガポール、アルジェリア、エクアドル、中国が発言した。
アメリカは、難民条約、難民高等弁務官事務所があるから、この議論は不必要だと批判した。発言の中で、「難民が生じた場合アメリカはフルサポートするが」などと言っていた。無理やり戦争を仕掛けて難民を作って、フルサポートとは。
EUも、ほぼ同じ発言。
NGOでは国際平和メッセンジャー(カルロス)。
最後に諮問委員会作業部会のモナ・ズルフィカーが発言して午前は終わり。