Monday, February 18, 2013

国連人権理事会・平和への権利作業部会で発言

グランサコネ通信2013-03                                                                                     *                                                                                            (1)平和への権利作業部会で発言                                               2月18日午後、国連人権理事会・平和への権利作業部会は、午前に引き続き、平和への権利宣言草案の審議を行った。総論では、まずボリビア、ロシア、モロッコが総論賛成の発言を行った。NGOは、国際民主法律家協会IADL、非暴力平和隊(ロルフ・カリエレ)、ノース・サウス21、青年平和構築ネットワークが発言した。                                                                                                                         次に、条文ごとの審議に入った。各論である。                                                                                                政府では、ペルー、イラン、エジプト、キューバ、シンガポール、スリランカ、アルジェリア、エジプト(2回目)、EU、イラン(2回目)、中国、シンガポール(2回目)、エクアドル、ペルー(2回目)。                                                                                                EUは、午前に引き続き、平和への権利には国際法の根拠がない、他の場所で議論するべきだ、国連憲章に合致しないと批判した。                                                                                                       NGOでは、国際ピースメッセンジャー(カルロス・ビヤン)、国際民主法律家協会IADL(ロベルト・サモラ)、国際人権活動日本委員会JWCHR(前田朗)が発言した。                                                                                                            JWCHRは、2008年4月17日のイラク自衛隊派遣違憲訴訟・名古屋高裁判決が平和に生きる権利を認めたこと、1973年9月7日の長沼訴訟・札幌地裁判決以来であること(札幌地裁判決の時に札幌の高校生だったこと)、2009年2月24日の岡山地裁判決を含めて、平和的生存権を認めた判決が3つあることを紹介した。                                                                                *                                                                             (2)iPS細胞入門                                                                                    朝日新聞大阪本社科学医療グループ『iPS細胞とは何か』(ブルーバックス、2011年)                                                                                                                  山中伸弥がノーベル賞を受賞する前に新聞記者たちが取材して出版した本で、ノーベル賞受賞後に2刷が出た。ノーベル賞受賞前には一般にはあまり関心を持たれていなかったが、ノーベル賞受賞によりTVでもあらゆる解説・紹介がなされ、山中伸弥の経歴やエピソードもすっかり有名になった。本書はブルーバックスの入門編らしく、とてもわかりやすい。ES細胞からiPS細胞へ進化・発展の意味がよく理解できる。科学研究、ビジネス、特許権などの関連、それゆえ激しい国際競争の様子もわかりやすい。言い換えれば、特許申請やプレゼンテーションのうまさで、天と地の差が生じる。山中チームは、日本の科学者のなかでは珍しく宣伝上手だったのでノーベル賞にたどり着いた。今や文部科学省や京都大学の全面的支援でさらなる競争に乗り入れている。読む分にはおもしろいが、科学研究のおもしろさではなく、巧みな宣伝合戦(逆に言えば、ハッタリや捏造が生まれやすい分野であること)のおもしろさである。