Tuesday, February 19, 2013

革命的顎鬚

グランサコネ通信2013-05                                                                                                                                                                     *                                                                         (1)人種差別撤廃委員会CERD                                                                                 19日午後の初めは、パレ・ウィルソン(人権高等弁務官事務所)で開催されているCERDに行ってきた。スロヴァキア政府の9・10回報告書の審査が行われていた。スロヴァキア政府が15名近く参加していた。NGOの傍聴は6名。うち1名は反差別国際運動IMADRメンバーでこのところずっとCERDを撮影してインターネット放送している。                                                                                  今回のCERDに提出された各国政府報告書を入手するために行ってきたが、いつもは印刷しておいてあるのに、なぜかまったく置いてなかった。経費節減だろうか。ウェブサイトからとる必要がある。スロヴァキア審査では、主にロマの権利と言語マイノリティのことが取り上げられていた。担当のケマル委員の発言で、スキンヘッドによるロマ、非EUの人間に対するヘイトクライムのことも取り上げられていた。政府報告書を見ていないのでよくわからなかった。後日、報告書を確認する必要がある。                                                                          *                                                                                           (2)平和への権利宣言草案6~8条の審議                                                                                        途中で抜けて、パレ・デ・ナシオンの国連人権理事会・平和への権利作業部会に戻ってみたら、4条と5条の審議が終わって、6条に入るところだった。                                                                                        6条「民間軍事・警備記者」では、政府はペルー、アメリカ、ロシア、キューバ、EU、コスタリカ、コロンビア、アルジェリア、イラン、セネガルが発言した。                                                                                                  アメリカは、宣言草案には驚いた、定義がきちんとできていない、民間軍事会社と民間警備会社が区別されていない、と批判した。                                                                                                    NGOでは、アメリカ法律家協会(ロベルト・サモラ)、国際平和メッセンジャー(カルロス・ビヤン)が発言した。                                                                               7条「抑圧への抵抗・反対」では、EU、イラン、アルジェリア、コスタリカ、セネガルが発言した。                                                                                                 NGOでは、国際平和メッセンジャー(カルロス・ビヤン)、青年平和構築ネットワークが発言した。青年平和構築ネットワークは、ガンディー、キング牧師のことを話していた。                                                                                        8条「平和維持」では、ペルー、パキスタン、EU、ロシアが発言した。                                                                     パキスタンも、これはニューヨークで議論するべきだと言っていた。                                                                  EUも、政治問題であって、人権理事会の議題にはならない、と批判した。                                                             ロシアは、平和維持は安保理事会や総会の議題だが、国際法に違反して人権侵害がなされた場合は、人権理事会マターでもあると述べた。                                                                                                NGOでは、国際平和メッセンジャー(カルロス・ビヤン)、非暴力平和隊(ロルフ・カリエレ)が発言した。                                                                                                非暴力平和隊は、国連ブルーヘルメットと8条の関係を問い直すべきと述べ、市民の保護をもっと強調するべきだと述べた。 (3)革命的顎鬚                                                                   何度も発言しているロベルト・サモラは日本の平和運動ではおなじみの人物である。かつて、コスタリカがアメリカのイラク侵略に協力した時に、学生だったロベルトは、軍隊を持たず、積極的平和主義を唱えてきたコスタリカが戦争協力することに疑問を感じて、憲法裁判所に提訴した。憲法裁判所はこれを受けて、政府による戦争協力は憲法違反だと判決を下し、戦争協力国家のリストからコスタリカの名前が削除された。その後、ロベルトはピースボートの招きで日本にしばらく滞在したが、現在は弁護士としてコスタリカで活躍している。平和への権利宣言づくりには昨年から加わって、ジュネーヴにやってきてロビー活動を展開してきた。国連人権理事会で、私が発言する時にはコスタリカ憲法のことや、コスタリカが軍隊を持たない国家であることに触れるが、ロベルトは、日本の9条キャンペーンの重要性を訴えてくれた。                                                                      17日夜、スペイン国際人権法協会のダヴィド、非暴力平和隊のロルフ、日弁連の笹本潤などが人権理事会作業部会に向けてミーティングを行った。その際、ロベルトが私の髭を「革命的顎鬚」と命名した。正月休みから無精髭を伸ばしているのだが、ロベルトに言わせると、なぜか「革命的顎鬚」だそうだ。ゲバラでも想起するのだろうか。「平和的顎鬚」にしてもらいたい。