Saturday, February 23, 2013
「ニュースとしての歴史」展
グランサコネ通信2013-09
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風花が舞い、底冷えのするジュネーヴだ。
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(1)人種差別撤廃委員会
22日午前は人種差別撤廃委員会CERDでニュージーランド政府報告書審査だった。NGO席に30名以上の若者が座っていた。ニュージーランドの大学生が研修を兼ねて、政府報告書審査を傍聴に来ていた。ほとんどみなヨーロッパ系白人の顔つきだった。マオリ人がいたのか、いないのか。報告書審査では、マオリ人に対する差別が主題となった。マルティネス、バスキス、クイックリー、ファン委員らが次々と質問していた。就職差別をなくす努力、インターネットにおけるヘイト・スピーチへの対処、公用語としてのマオリ語など。ファン委員が「中国では、政府がさまざまな言語の教科書を用意して、若者が自分たちの言語をマスターできるようにしているが、若者自身が漢語を学びたがり、自分の言語を学ぼうとしない。支配的な漢語のほうが社会的に上昇できるからである。ニュージーランドでマオリ語を公用語にしているというが、若者はマオリ語を学びたがるのか。英語を学びたがるのではないか」と質問していた。
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ニュージーランド政府報告書(CERD/C/NZL/18-20. 14 June 2012)
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ニュージーランドは条約第4条の義務を実施している。2006年報告書の際にも報告し、議論されたが、特定の集団に対する敵意を煽動することを不法としている。
「人権法61条(人種的不調和disharmonyの違法性)」による申立には変動がある。2007年31件、2008年23件、2009年30件、2010年21件。大半は正式告発には至っていない。ニュージーランドはヘイト・スピーチを犯罪としていないが、人権法131条は「人種的不調和の煽動」を犯罪としている。2008年に立件されたのは1件である。
2002年量刑法9条1項(h)は、犯罪が、人種、皮膚の色、国籍、宗教、ジェンダー・アイデンティティ、性的志向、年齢又は障害といった特徴を持つ人の集団に対する敵意の故に行われた場合、量刑の考慮に入れるとしている。被害者がそれに該当していなくても、犯行者がそのように信じていた場合にも同様である。
2009年の犯罪と刑事司法統計年報には、偏見犯罪(人種的に動機づけられた犯罪を含む)に関する情報が含まれている。ニュージーランドでは人種的に動機づけられた犯罪は公式統計に乗ってこないが、警察によると地方レベルでは差別やハラスメントによる犯罪がある。たとえば、2008年、クリストチャーチで、ウェブサイトに匿名で、異なる者に対する有害な書き込みが確認されている。タスマン地方では、人種主義的事件が報告された。
警察は、移住者、難民、外国人労働者、旅行者、留学生に援助するための共同作業の努力をして、「民族戦略2010――民族コミュニティでともに働く」を策定・実施した。警察官に採用される(白人系以外の)民族が増えた。警察が民族的マイノリティの状況に理解を持つようになってきた。
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(2)「ニュースとしての歴史」展
パレ・デ・ナシオン旧館の大会議場前の通路で「ニュースとしての歴史」展が行われている。重大事件の新聞記事を展示している。たとえば、国際連盟設立の時の新聞記事。ナチス・ドイツの敗戦、イタリア・ファッショ党崩壊から、9.11やハイチ地震も。また、チャーチル、ドゴール、毛沢東、ガンディ、ケネディの死去報道。ニューヨークタイムズ、人民日報、イズベスチャなど世界中の新聞。マリリン・モンロー、プレスリー、ジョン・レノン、マイケル・ジャクソンの死亡記事も。日本関連の新聞は2つ。一つは、マッカーサーと昭和天皇が並んだ写真つきの記事(毎日新聞)と、3.11東日本大震災。