Tuesday, July 17, 2012

女性差別撤廃委員会が日本政府に勧告


ヒューマン・ライツ再入門⑪

女性差別撤廃委員会が日本政府に勧告



「統一評論」529号(2009年11月)





「慰安婦」問題の勧告



 七月二四日の共同通信は「女性差別、日本の対策なお不十分  国連委が6年ぶり審議」と題して次のように報じた。


 【ニューヨーク共同】女性へのあらゆる差別を禁止した「女性差別撤廃条約」の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会が23日、日本の現状についての審議を6年ぶりに行い、各委員から「日本は条約に拘束力があると理解しているか」「具体的対策を欠くのでは」などと厳しい意見が相次いだ。日本は前回、2003年の勧告で対策遅れを指摘され、是正を求められている。委員会では今回の審議を受け、8月下旬にも日本政府に勧告を行う予定だが、迅速な取り組みを再び求められる可能性がある。03年の勧告では従軍慰安婦問題へのさらなる対策を求めたが、日本政府は今回も謝罪は解決済みで、補償でも「アジア女性基金を活用」など従来の意見を繰り返した。審議後、記者会見した内閣府の岡島敦子・男女共同参画局長は05年に策定した第2次の男女共同参画基本計画など「日本の取り組みは進展している」と強調した。一方、委員会は日本から女性問題の45の非政府組織(NGO)が傍聴。20日の非公式会合では代表が、男女別姓が認められないなど民法の「差別的な規定」などがいまだあらためられていないと発言した。



 日本政府は、一九八〇年に女性差別撤廃条約(日本政府訳では「女子差別撤廃条約」)を批准(効力発生は一九八一年)し、これまでに五回の政府報告書を女性差別撤廃委員会に提出して、審査を受けてきた。今回は第六回目の報告書審査であった。

 七月の審査を踏まえて、八月七日に最終所見(勧告)が公表された。数々の勧告が出されたが、まず、日本軍性奴隷制(「慰安婦」)問題に関する勧告を見てみよう。



37 委員会は、「慰安婦」の状況に対処するために締約国がいくつかの措置をとったことに留意するが、第二次世界大戦中に被害を受けた「慰安婦」の状況について締約国が永続的解決を見出していないことを残念に思い、学校教科書からこの問題に関する記述が削除されたことに懸念を表明する。

38 委員会は、「慰安婦」の状況について、被害者補償、加害者訴追、これらの犯罪に関する公衆に対する教育を含む、永続的解決を見出す努力を締約国が緊急に行うべきとの勧告を繰り返し表明する。
 遡ると、女性差別撤廃委員会は、一九九四年の日本政府第二・三回報告書に対する審査結果としての勧告においても、「委員会は、日本の報告が他のアジア諸国からの女性に対する性的搾取及び第二次世界大戦中の女性に対する性的搾取に関する問題を真剣に反映していないことにつき失望の意を表明した。委員会は、日本の本件条約に関する約束が、同国に対し、外国人及び移民の女性を含むすべての女性の十分な人権の保護を確保することを要求するものであることに留意した」(633)、「委員会は、また、日本政府に対し、これらの最近の問題及び戦争に関連する犯罪を取り扱うため具体的かつ効果的な措置をとること及びその措置につき次回の報告で委員会に報告することを推奨する」(635)としていた。
 その後、一九九六年の国連人権委員会におけるクマラスワミ「女性に対する暴力特別報告者」報告書以来、「慰安婦」問題は国際人権機関で繰り返し取り上げられ、何度も勧告が出されてきた(本連載第一回、第三回など参照)。
 二〇〇三年、女性差別撤廃委員会における第四・五回日本政府報告書審査の結果としての勧告において、「委員会は、『戦時慰安婦』問題に関して、日本政府による第二回・三回報告書審査の前後にとった措置について包括的な情報を提供したことを評価するものの、この問題をめぐる懸念が引き続き存在することに留意する」(25)、「委員会は、日本政府が『戦時慰安婦』問題について永続的な解決策を見出すため努力することを勧告する」(26)としていた。今回はさらに踏み込んだ内容となっている。
数々の勧告
 女性差別撤廃委員会は、「慰安婦」問題以外にも、日本における女性の人権の状況に関して実に数多くの勧告を出した(勧告の仮訳は「内閣府男女共同参画局ホームページ」に掲載されている)。
・主要な懸念(条約の全条項を系統的に履行する政府の義務を果たすよう改めて求める)

 ・前回の勧告(前回勧告された事項に十分に取り組んでいないことを遺憾とし、実行を求める)

 ・差別的法規(男女で異なる最低婚姻年齢、女性再婚禁止期間、選択的夫婦別姓、婚外子差別などの差別的規定が、前回勧告にもかかわらず改正されていない)

 ・条約の法制化(条約が法的拘束力をもつ重要な国際人権法であることを、日本政府は認識すべき。条約の全条項を国内法制に迅速に取り入れること。選択議定書批准を検討するよう勧告)

 ・差別の定義(国内法に女性差別の定義がないことを改めて懸念、条約一条に基づく差別定義を迅速に取り入れるべき)
・人権擁護機関(男女平等を視野に入れた独立の人権擁護機関の迅速設置)
・国内推進機関(ジェンダー平等を推進する男女共同参画局などの機関を機能強化すること。第三次男女共同基本計画の法的枠組みとして女性差別撤廃条約を活用し、監視メカニズムを設けること)

・暫定的特別措置(女性の雇用、公的領域への参加、意思決定への参加を促進するため、委員会一般的勧告二五号に沿って暫定的的特別措置)

・ステレオタイプ(女性の人権に対する政府内の「バックラッシュ」に懸念を表明。メディアや教育における男女の役割に対するステレオタイプを取り除くため、教科書見直し等の取組みを行うこと)

・女性に対する暴力(女性に対する暴力に関する意識啓発、データ収集と調査にもとづく介入を行うよう勧告、法執行官や医療関係者等が十分な知識にもとづく支援を行うこと。DV法があらゆる形態の親密な関係の暴力を対象としていないことを指摘、保護命令発行を急ぐこと、暴力被害者のための二四時間ホットラインや質の高い支援を提供すること。移住女性やマイノリティ女性、弱い立場にある女性の状況に懸念を表明し、弱い立場の女性たちに対し、被害の届け出等について支援を行うほか、暴力防止の意識啓発を行うこと)

性暴力ポルノゲームや漫画が児童ポルノ禁止法の対象外であることに懸念を表明、性暴力を当たり前かのように扱うビデオゲームや漫画の販売を禁止すること)
 ・人身売買、売買春人身売買や売春搾取の被害者に対する保護やリハビリテーション、社会統合支援、女性の経済状況の改善など、根本的解決の努力を求める。買春需要の抑制、売春女性の社会統合、リハビリテーション、経済的エンパワーメントなどの支援を勧告
 ・政治・公的活動への参加政府議会、法曹学術領域の上位に就く女性が少な、マイノリティ女性の公的活動参加に関する統計の欠如について懸念

教育教育基本法旧条が削除されたことに懸念を表明、教育における男女平等実現のため、ジェンダー平等条項を再度取り入れること。非伝統的領域における女性の教育・キャリア機会拡大、第三次男女共同基本計画において大学教員の女性比率を二〇%から引きあげること)
 ・雇用労働市場における女性差別と賃金格差、出産・育児を 理由とする違法な解雇、セクシュアルハラスメントの横行に懸念を表明。雇用管理区分が女性差別の抜け穴となっていること、ILO一〇〇号条約にもとづく同一価値労働同一賃金の原則が欠けていること、セクハラ防止義務違反に対する制裁措置の欠如、差別是正のための法的プロセスに時間がかかりすぎることなどを批判
 ・職業生活バランス男女間の平等な家族責任と雇用の分担を促進し、女性がパートタイムに集中する状態を改善すること
 ・健康女性の性感染症の増加、若年の中絶の増加を懸念。セクシュアルヘルスに関する教育・情報・サービスを提供すること
 ・マイノリティ女性アイヌ、部落、在日コリアン、沖縄など、マイノリティ女性の教育、雇用、健康、福祉、暴力などに関する情報の欠如に遺憾の意を表明。意思決定機関にマイノリティ女性の代表を加えること
 ・弱い立場の女性農村女性、シングルマザー、障害女性、難民女性、移住女性など、複合差別に遭いやすい弱い立場の女性について情報統計を提供し、特別なニーズに応じた政策をとること)
 

女性差別撤廃条約とは



 日本政府は女性差別撤廃条約を「女子差別撤廃条約」と訳している。日本においては後者が正式名称であるが、不適切な訳である。原文ではWomenであり、端的に女性と訳せばよい。国連文書を見れば、WomenとともにWomen and girlsという表現が多用されている。Womenを女子と訳すと、Women and girlsと区別がつかなくなる。

 女性差別撤廃条約は、一九七九年一二月一八日に国連総会で採択された。効力発生は一九八一年である。条約の詳細な研究は、山下泰子『女性差別撤廃条約の展開』勁草書房、二〇〇六年)

 それ以前に世界人権宣言や国際人権規約が制定されていて、男女平等条項が含まれていたが、それだけでは不十分であったために、女性に対する差別の撤廃を直接の目的とする条約が必要と考えられた。

 国連憲章が基本的人権、人間の尊厳価値男女の権利の平等に関する信念を改めて確認していること、世界人権宣言が、差別は容認することができないとの原則を確認していること、すべての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳及び権利について平等であること並びにすべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに権利及び自由を享有することができることを宣明していること、国際人権規約の締約国がすべての経済的、社会的、文化的、市民的及び政治的権利の享有について男女平等の権利を確保する義務を負ていることなどを考慮したうえで、条約前文は、「しかしながら、これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在していることを憂慮し、女子に対する差別は、権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり、女子が男子と平等の条件で自国の政治的、社会的、経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるものであり、社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり、また、女子の潜在能力を自国及び人類に役立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し、窮乏の状況においては、女子が食糧、健康、教育、雇用のための訓練及び機会並びに他の必要とするものを享受する機会が最も少ないことを憂慮し、衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確信し・・・(中略)・・・国の完全な発展、世界の福祉及び理想とする平和は、あらゆる分野において女子が男子と平等の条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかつた女子の大きな貢献、母性の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、また、出産における女子の役割が差別の根拠となるべきではなく、子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要であることを認識し、社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等の達成に必要であることを認識し、女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意し」たとしている。

女性差別撤廃条約は六部構成である。第一部・一般規定、第二部・政治的及び公的活動における差別の撤廃、第三部・経済的及び社会的活動における差別の撤廃、第四部・法の前の平等と差別の撤廃、第五部・女性差別撤廃委員会、第六部・最終規定である。

 第一条は次のように定義する。「この条約の適用上、『女子に対する差別』とは、性に基づく区別、排除又は制限であつて、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう」。

 他の条約の定義と顕著に異なるのは、「認識」という語句が挿入されていることである。女性が自分にどのような権利があるのか認識できない状況が作られていることが多い。自分に権利があることがわからなければ、権利を行使できない。差別されても被害を実感できない。言葉で訴えることもできない。女性が権利を認識することが第一歩である。

 第二条は、「締約国は、女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、女子に対する差別を撤廃する政策をすべての適当な手段により、かつ、遅滞なく追求することに合意し、及びこのため次のことを約束する」として、次の五項目を掲げている。

 
(a)
 男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれを定め、かつ、男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保すること。
 
(b)
 女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含む。)をとること。
 
(c)
 女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し、かつ、権限のある自国の裁判所その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを確保すること。
 
(d)
 女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの義務に従つて行動することを確保すること。
 
(e)
 個人、団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。
 
(f)
 女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。
 
(g)
 女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること。

 さらに、第三条は「締約国は、あらゆる分野、特に、政治的、社会的、経済的及び文化的分野において、女子に対して男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的として、女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置をとる」として、差別の是正を具体化しようとする。

 また、第四条第一項は、「締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは、この条約に定義する差別と解してはならない。ただし、その結果としていかなる意味においても不平等な又は別個の基準を維持し続けることとなつてはならず、これらの措置は、機会及び待遇の平等の目的が達成された時に廃止されなければならない」として、積極的是正措置(アファーマティヴ・アクション)を肯認している。

 第二部から第四部では、女性の権利を、政治、国籍、教育、雇用、保健、婚姻・家族関係などの諸分野にわたって、さまざまに規定している。



女性差別撤廃委員会とは



 女性差別撤廃条約第五部は、条約監視機関としての女性差別撤廃委員会の設置を定めている。

 第一七条は、「この条約の実施に関する進捗状況を検討するために、女子に対する差別の撤廃に関する委員会を設置する。委員会は、この条約の効力発生の時は十八人の、三十五番目の締約国による批准又は加入の後は二十三人の徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において十分な能力を有する専門家で構成する。委員は、締約国の国民の中から締約国により選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出に当たっては、委員の配分が地理的に衡平に行われること並びに異なる文明形態及び主要な法体系が代表されることを考慮に入れる」とする。委員は、締約国会合における秘密投票によって選出される。

 締約国は、女性差別撤廃委員会に報告書を提出する。まず、条約を批准して効力を発生してから一年以内、その後は四年ごとに提出することになっている(第一八条)。委員会は、政府報告書の審査のために会期をもつ(第二〇条)。そして、「委員会は、その活動につき経済社会理事会を通じて毎年国際連合総会に報告するものとし、また、締約国から得た報告及び情報の検討に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、締約国から意見がある場合にはその意見とともに、委員会の報告に記載する」(第二一条)

 日本政府も、批准以後、繰り返し報告書を提出して審査を受けてきた。今回が第六回目である。



NGOの役割



 女性差別撤廃条約は、NGOについては何も言及していない。

 しかし、専門家とはいえ、一握りの委員が世界各国の女性の権利状況について審査するのは不可能である。それだけの情報を独自に入手することはできない。そこで、自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会など他の人権条約機関と同様に、女性差別撤廃委員会は、NGOによる情報提供を歓迎してきた。実際の状況について情報を持っている専門家や女性NGOの協力があってはじめて、委員会は実質的な審査を行うことが可能となる。

 日本の女性NGOも一貫して委員会への情報提供を行い、国際的なレベルでの建設的対話の努力を積み重ねてきた。女性NGOは「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」に結集して、協力してロビー活動を行った。NGOが提供してきた情報への信頼の高さが、先に紹介した数々の委員会勧告に繋がっているといえよう。詳しくは、赤松良子・山下泰子『女性差別撤廃条約とNGO』(明石書店、二〇〇三年)参照。

 また、選択議定書の批准もNGOの取り組み課題である。

女性差別撤廃条約選択議定書は一九九九年に国連総会で採択され、二〇〇〇年に発効した。選択議定書は、個人通報がなされた場合に個人通報を受理して検討する権限を女性差別撤廃委員会に付与している(第一条)。個人通報とは、女性差別撤廃条約が定める権利の侵害を受けた被害者等(個人および団体)が女性差別撤廃委員会に提出する通報である(第二条)。個人通報以前に、国内で利用できる救済措置を尽くしたことが必要とされる(第四条)。委員会は、個人通報を非公開会合で検討し、通報に関する委員会の見解をまとめて関係当事者に送付する(第七条)。委員会は重大人権侵害に関する情報を入手した場合に調査することができる(第八条)。

 自由権規約第一選択議定書は、自由権委員会に同様の個人通報をすることができるとしている。また、人種差別撤廃条約は、選択議定書ではなく、条約そのものが個人通報を認めている(同条約第一四条は、締約国がそのための委員会の権限を認めるとの宣言をすることができるとしている)。拷問等禁止条約第二二条も同様である(さらに拷問等禁止条約選択議定書は拷問防止のための特別手続きを定める)。同様の個人通報を女性差別撤廃条約についても認める選択議定書である。

米田真澄・堀口悦子『Q&Aで学ぶ女性差別撤廃条約と選択議定書』(明石書店、二〇〇二年)は、選択議定書の内容を紹介して、「選択議定書を女性自身で使いこなそう!」「委員会の見解や勧告を無視すれば国際的信用を落とす」「選択議定書は広報義務を定めている」「日本政府に情報アクセス権と広報を求めよう」として、選択議定書の批准運動を呼びかけている。

 日本政府は、自由権規約、社会権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、拷問等禁止条約の人権基本六条約を批准しているが、個人通報を受理していない(障害者権利条約を批准していない)。個人通報を認める宣言を行わず、選択議定書も批准していない。