Saturday, February 20, 2016

アムステルダム国立美術館散歩

ぜいたくな一日だった。
最初から美術館として建設された建物に、オランダの美術品がど~~んと展示されている。家具調度品、鍵、デルフト陶器、宝飾品、磁気、武器、模型船、フラ・アンジェリコ、スコーレル、ブケラー、マイセン、ファルコネ、ゴヤ、ブライトナー、ファン・ゴッホ、レンブラント、フェルメール、ステーンを堪能。夜警、ユダヤ人夫婦、牛乳を注ぐ女、手紙を読む女。
フロントは人だかりだったので、なかなか大変かな、と思いながら入ったが、美術館として作られた天井の高い部屋に、ゆったり並べられた作品が多かった。多少人が多くても関係なく、どの作品も正面からじっくり見ることができる。東京だと、美術品を見る以前に、大勢の人間の背中と頭を見なくてはならない。芸術鑑賞などと無縁の世界に美術品が置かれる悲惨さ。
レンブラントの夜警の前には人が大勢並んだが、タテヨコ5メートルの大作なので、遠くからもよく見えたし、すぐ近くに行ってじっくり見ることもできる。フェルメールの牛乳を注ぐ女も東京とは違って、正面に立って20分以上眺めていられる。ハーグのマウリッツハウスに真珠の耳飾りの少女を見に行ったときは平日の朝、他に誰もいないので30分くらい一人で眺めた。フェルメールはここ数年、日本で超人気なので次々とやってきた。有難いことだが、東京だと、他人の後頭部ばかり眺めることになる。真珠の首飾りの少女はハーグとジュネーヴでみたので、東京では見に行かなかった。
10時半に入って16時過ぎまで、昼食抜きで館内を歩き回った。本当はもっとゆっくり見たいところだ。宝飾品や家具はどこの博物館でも見られるような気がするが、デルフト陶器は素敵だし、アムステルダムならではのものもあった。インドネシア植民地時代に由来する美術品や工芸品だ。作者不明の現地ジャワ島の役人の絵はかなりのものだった。
玄関を出ると冷たい雨が降っていた。風も出てきた。隣のファン・ゴッホ美術館、その向こうには市立美術館と、凄い美術館が3つ並ぶ間を小走りでトラムに飛び乗る。