ユ・シミン『ボクの韓国現代史』(三一書房)
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原著は韓国で20万部を突破した注目の書!
かつてノ・ムヒョン大統領政権下で保健福祉相を務め、政界引退後は自由なライターとして活躍するユ・シミンが著す、日本人が知らなかったリアルな韓国現代史。
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1959年に生まれた著者は、自分が生まれ育った時代――幼児のことは記憶していないにしても――に限定して語ると言うスタイルを選んだ。1959から2014の55年間を、少年として、学生として、コラムニストとして、ドイツへの留学生として、そして政治家として生き、見つめ、働きかけてきた自国の歴史を、自ら引き受けるために、未来の世代に送り届けるために、韓国が駆け抜けた動乱と悲劇と喜劇と腐敗と混迷の歴史を、粉飾することもなく、絶望することもなく、描き出す。政治、軍事、経済、社会、文化――さまざまな分野に幅広く視線を送りながら、韓国国民が何を悩み、何に怒り、激しくも優しく生きてきたのかを明らかにする。理論と、実践と、経験と、希望を重ね合わせながら、リスクにおびえながらリスクにチャレンジする。
韓国現代史は日本でもいくつも書かれてきたが、やはり日本人研究者の関心に規定されてたり、在日朝鮮人研究者の問題意識に貫かれている。それはそれで大切だが、韓国シミンの眼差しで書かれた本書はひと味もふた味も違う。
「僕はこの本が、みずからの時代を全力で走ってきた同時代のすべての人々にとってささやかな慰めになることを期待している。また、大人たちのつくった今の社会的環境を乗り越え、今日とは違う明日をつくっていく若者たちにとって意味あるアドバイスになることを期待している」。
隣国に生きる私たちにとっても、本書は様々な読み方を可能にするテキストである。いつか日本の市民が「ボクの日本現代史」を書き、さらに、誰かが「ボクの東アジア現代史」を書いてくれるといいが。