Saturday, January 28, 2017

ヘイト・クライム禁止法(125)ニジェール

ニジェール政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/NER/15-21.25 February 2014)によると、1991年以来ニジェール憲法は人権、政治的多元主義、国民の統合、参加による発展、すべての差別との闘いを掲げてきた。人種差別撤廃条約第4条に効力を持たせる立法を行った。憲法第8条は「ニジェール共和国は法の支配により統治され、性別、社会的人種的民族的宗教的出身による区別なしに、すべての人に法の下の平等を保障する。」と規定する。
刑法第2部第1章は人種的、地域主義的、宗教的性格の犯罪を定める。刑法第102条は、人種的民族的差別行為、地域主義的プロパガンダ、良心の自由への侵害を1年以上5年以下の刑事施設収容としている。
刑法第208条3は、ジュネーヴ諸条約及び議定書によって保護された人および財産への加害を戦争犯罪としているが、これにはアパルトヘイト、人種差別に基づいた人間の尊厳への侵害も含まれる。
ニジェールは人種差別撤廃条約第4条(b)に従って、1984年の結社に関する命令およびその手続きに関する通達を出している。命令第2条は、法に違反する目的の結社を禁止し、地域、民族集団、人種的出身の特徴を持することを目的とする結社を定義している。命令は、外国人のための結社を許可している。
人種差別撤廃委員会はニジェールに次のように勧告した(CERD/C/NER/CO/15-21. 25 September 2015)。刑法102条は人種主義的活動への援助や財政支援を含まず、人種差別撤廃条約第4条(c)も反映していない。人種差別撤廃委員会一般的勧告35に沿って、刑法を人種差別撤廃条約第4条に即して、人種的優越、憎悪、差別の煽動、人種的動機による暴力の助長する観念の流布、人種主義活動の援助を、禁止するよう勧告する。