Monday, August 12, 2013
原発民衆法廷を国連に報告
NGOの「国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田弓恵)は、8月12日、ジュネーヴで開催中の国連人権理事会諮問委員会11会期で、原発民衆法廷について報告した。趣旨は次の通り。
<私たちは2012年2月から原発民衆法廷を開始し、福島、大阪、広島など各地で公判を開き、本年7月21日の東京公判で判決を出した。判決は28項目の勧告から成るが、原発の全面廃止を要求し、国連人権理事会に「原発事故と人権特別報告者」を設置すること、国連総会に原発禁止条約の採択を呼びかけることを盛り込んでいる。アメリカによる原爆投下から66年後、福島原発事故は再び多くの被爆者を生んだ。事故から2年経っても被害は続いている。政府は除染作業を放棄し、被害者による自己管理を求めている。福島の子どもの甲状腺がん比率が急激に上昇している。子ども被災者支援法は機能していない。復旧のための被ばく労働も続いている。原発は棄民政策の上に成り立っている。国連人権理事会諮問委員会が、チェルノブイリと福島の教訓に学んで、災害後の人権について研究するよう要請する。>
発言は、今回から新たな議題として設定された議題「災害後・紛争後の人権の促進と保護」で行われた。この議題の下で事務局が準備した報告には、キルギスタン、ハイチ、フィジー、サモア、キリバスなどが取り上げられていたが、福島は取り上げられていなかった。JWCHR発言の後、諮問委員会のベンゴア委員、スーフィ委員などが福島の事態を取り上げる必要性があると発言した。
諮問委員会は、国連人権理事会の下に置かれた専門家委員会で、人権理事会から諮問を受けた課題について専門的検討を加える。これまで、職業と身分の差別、ハンセン氏病と人権、テロと人質、平和への権利国連宣言などの報告をまとめて、人権理事会に送ってきた。「災害後・紛争後の人権の促進と保護」は前回の人権理事会で話題となって新たに議題とされたが、その最初の発言がJWCHRであった。