原子力安全・廃絶研究会編『Q&Aで一 気にわかる脱原発の教科書』(洋泉社、2011年)
http://www.yosensha.co.jp/book/b93895.html
<原発は安くてクリーンは大ウソ! 脱原発、こうすれば実現できる?>
(なぜか?になっている)
<日本のエネルギー政策が根底から覆ろうとしている。
福島第一原発事故をきっかけに、原子力推進の現行計画のロードマップは頓挫した。
ストレステスト導入で、定期検査で停止している原発の運転再開の見通しも立っていない。
日本の電力供給・電気料金はどうなっていくのか、どうするべきなのか。
ポスト3・11のエネル ギー政策を徹底検証する!>
45のQ&Aと5人の専門家へのインタヴューで構成されています。Q&Aの 筆者は、李策さんというフリーライター。なぜか生年が「1072年」。ジョークではなく誤植でしょうが。インタヴュー構成は、高橋繁行さんというルポライターと山崎徹さんというノンフィクションライター。ともに1954年生まれ。この3人による著作です。図版が見やすく て、読みやすい本です「教科書」と銘打っているだけあって、工夫しています。これ1冊でかなりのことがわかります。もっとも、引用文献・出典の表示がほとんどないのが残念。
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目次
第1章 なぜ原発をやめたほうがいいのか
スペ シャルインタビュー①
小出裕 章(京都大学原子炉実験所助教)
「原発 神話」のウソ
「反原 発」の旗手が語る、福島原発事故の隠された真相と“原発神話”のウソ!
Q1―1/そもそも原発とは何か?
Q1―2/いま福島で何が起きているか?
Q1―3/福島の事故は収束に向かうのか?
Q1―4 よく福島と比較されるチェルノブイリ原発事故 とは?
Q1―5/「放射能」「放射性物質」「放射線」とはどう いうものか?
Q1―6/被曝するとどうなるか?
Q1―7 なぜ原発をつくり続けたのか?①/「核燃料サイクル」とその破綻
Q1―8 なぜ原発をつくり続けたのか?②/総括原価方式
Q1―9 東日本大震災の後、どうして浜岡原発だけ名指 しで止められたの?
Q1―10/原発が〝地震危険地帯〟の上にあるって本当?
第2章 原発をめぐるこれだけのウソ
スペ シャルインタビュー②
大島堅 一(立命館大学国際関係学部教授)
「原発 安価神話」のカラクリ
発電費 用、バックエンド費用、立地費用――「安い」とされてきた原発のコストを実績値で徹底 検証!
Q2―1/「原発は安い」は本当か?
Q2―2/原発は環境にやさしいか?
Q2―3/原発は最適なベース電力か?
Q2―4/ウランはあと何年もつのか?
Q2―5/電源三法交付金って何?
Q2―6/プルサーマルの何が問題?
Q2―7/原子力開発は核武装のためなのか?
Q2―8/日本にはどれくらいの「核のゴミ」があるの か?
Q2―9/高レベル廃棄物をどうするか?
Q2―10/原発埋蔵金って何?
第3章 原発停止で「企業が海外に逃げる」は本当なのか
スペ シャルインタビュー③
茂木源 人(東京大学大学院准教授)
脱原発 は日本経済にどれくらいの影響を及ぼすのか?
原発を 太陽光発電で代替!シミュレーションでエネルギー戦略の影響を徹底検証!
Q3―1/原発を止めると電力が足りなくなる?
Q3―2/電気料金が上がると「企業が海外に逃げる」は 本当なのか?
Q3―3/原発を止めると本当に電気料金は上がるのか?
Q3―4/東京電力から電気を買うのをやめると電気代が 減るってホント?
Q3―5/電力自由化とは?
Q3―6/原子力は市場が自由化されても生き残れるの か?
Q3―7/東日本の50Hzと西日本の60Hzで電力の融通ができないのはなぜ?
Q3―8/東電の賠償スキームで電気料金は上がるのか?
Q3―9/電力不足で日本経済はどんなダメージを受けて いる?
Q3―10/そもそも電力使用制限令は必要だったのか?
第4章 自然エネルギーによる原発代替は可能なのか
スペ シャルインタビュー④
倉阪秀 史(千葉大学法経学部総合政策学科教授)
徹底解 説!「再生可能エネルギー原子力発電代替プラン」
原発が 担ってきた発電量を再生可能エネルギーでまかなうことは可能なのか?
どのよ うな設備をどの程度設置すればいいのか?
Q4―1/日本に再生可能エネルギーはどれくらい導入で きる?
Q4―2/地熱発電はどんな仕組み?
Q4―3/洋上風力発電の可能性は?
Q4―4/小水力発電の可能性は?
Q4―5/メガソーラーの実力は?
Q4―6/世界の再生エネルギー投資はどれくらい?
Q4―7/電力が不安定な自然エネルギーは普及しない?
Q4―8/バイオマスエネルギーって何?
第5章 さらば原子力発電
スペ シャルインタビュー⑤
飯田哲 也(環境エネルギー政策研究所所長)
いま 「エネルギーシフト」が必要なこれだけの理由
いま変 われなかったら、もう永遠に変われない。
あと10年で「自然エネルギーを20%導入、電力消費を20%削減」せよ!
Q5―1/高効率で注目されている「コジェネ」とは?
Q5―2/欧州で注目のHVDCとは?
Q5―3/全量買取制度とは
Q5―4/EUで再生可能エネルギー導入が成功している 理由は?
Q5―5/スマートグリッドとは?
Q5―6/省エネ・節電はこれからも必要?
Q5―7/地域から始まるエネルギーシフトとは?