原爆症認定訴訟熊本弁護団編著『水俣の教訓を福島へ』(花伝社、2011年)
http://kadensha.net/books/2011/201108minamatanokyoukun.html
誰が、どこまで 「ヒバクシャ」なのか?
内部被曝も含めて、責任ある調査を!
長年の経験で蓄積したミナマタの教訓を
いまこそ、フクシマに生かせ!
なぜ、シンポジウムを開いたのか原爆症認定訴訟熊本弁護団事務局長、ノーモア・ミナマタ訴訟弁護団事務局長 弁護士 寺内大介
Ⅰ部 パネラー報告
1 過少評価できない放射線の内部被曝 琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬
2 フクシマとミナマタをつなぐもの 熊本日日新聞論説委員・編集委員 山口和也
3 プロジェクト04で明らかになったこと 平和クリニック院長 牟田喜雄
4 メチル水銀の長期低濃度汚染について 協立クリニック院長 高岡滋
5 ミナマタの教訓を福島へどう生かすか 元熊本学園大学教授 原田正純
Ⅱ部 リレートーク
Ⅲ 部 特別寄稿
1 ノーモア・ヒバクシャ! 熊本県原爆被害者団体協議会事務局長 中山高光
2 原発事故にミナマタの教訓を生かす 水俣病不知火患者会会長 大石利生
3 フクシマにミナマタの教訓をどう生かすか ノーモア・ミナマタ国賠訴訟 弁護団団長 園田昭人
本書は7月2日に熊本学園大学で開催されたシンポジムの記録です。熊本学園大学と言えば、水俣病と闘い続けた市民科学者、原田正純さん。そして、水俣病の被害者を支えた弁護団は、熊本被爆者訴訟にも水俣訴訟の経験を生かして、道を切り開いていきました。彼らが開催したシンポジウムですから、とても参考になります。原爆訴訟では、日本政府は外部被ばくに限定し、内部被ばくを無視し続けました。これを打開したのが熊本弁護団と矢ヶ崎克馬さん。矢ヶ崎さんには、私たちアフガニスタン国際戦犯民衆法廷でも証言していただきました。国際的にもそうですが、日本でも、まず内部被ばくを無視する。どんな嘘をついてでも頑張る。無視できなくなると、次に、できるだけ過小評価する。この抵抗を打ち破ってきた科学者たちが、いま各地を飛び回っています。被曝だけではありません。水俣病に対する日本政府とチッソの態度がまったく同じでした。ひたすら無責任な日本政府とチッソを相手に闘ってきた科学者と法律家の共同が本書です。