Wednesday, February 19, 2014

ヘイト・クライム禁止法(59)ナミビア

ナミビア政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/NAM/12. 26 September 2007)によると、憲法第23条は「人種差別の慣行及びアパルトヘイトのイデオロギーは禁止され、それらの慣行及びその宣伝は、議会立法によって、通常裁判所で裁かれる犯罪とされる」としている。1991年の人種差別禁止法(1998年改正法)は、条約第4条に従った人種差別禁止を履行する基本法である。憲法第10条2項は、性別、人種、皮膚の色、民族的出身、宗教、信条、社会的経済的地位を理由とする差別を禁止している。その解釈には、国籍、世系による差別の禁止も含まれる。人種主義団体の定義は、人種差別禁止法第1条によると、皮膚の色、人種、国籍、民族的又は国民的出身だけに言及されている。差別の禁止については多くの最高裁判決がある。積極的是正措置も行われている。                                                          ただ、報告書には統計や具体的事例は出ていない。                                                      人種差別撤廃委員会がナミビア政府に対して出した勧告(CERD/C/NAM/CO/12. 22 September 2008)によると、委員会は、1998年人種差別禁止改正法のヘイト・スピーチ禁止条項が、実害のある場合に限定されていることに関心を有する。政府公務員によるマイノリティに対する言葉による攻撃についての具体的措置に関する情報が報告されていない。委員会は条約第4条に即してヘイト・スピーチを予防し、これと闘い、処罰するために法律を見直すよう勧告する。意見・表現の自由の行使には特別の義務と責任が伴う事について、一般的勧告15号を参照するよう勧告する。人種、皮膚の色、世系、国民的又は民族的出身に基づく人々やコミュニティに対する、政治家による攻撃、烙印、ステレオタイプの傾向に対処する措置が必要である。