Friday, February 28, 2014

世界人権裁判所の可能性?

2月27日、国連人権理事会・諮問委員会は、アルビニスムへの差別、今後の優先的審議事項などの議論をした。優先的審議事項としては、世界人権裁判所の可能性や、市民の安全と人権が提起されている。                                                                                  世界人権裁判所については、前回少し話題なったそうで、サイード・モハメド・アル・ファイハニ委員が『世界人権裁判所設立の可能性についての構想ペーパー:現行人権保障制度を強化する』(A/HRC/AC/12/CRP.1)を提出し、簡単なプレゼンテーションをしたが、討論はなかった。今後の扱いがよくわからなかった。構想ペーパーも1頁半のごくごく短いものだ。内容は、20世紀に国際人権枠組みが出来てきたが、人権侵害は広範で深刻になっている。現行人権制度には足りないところが多々ある。人権規範を提示するだけでなく、人権保護のために措置を履行する時代に入っている。世界は政治的にも社会的にも移行期にあり、法の支配と人権保障を強化する必要がある。被害を受けやすい人々が司法や法の支配に浴することができるようにしなくてはならない。そこで諮問委員会は、現行人権制度の弱点を点検し、人権保障のための包括的普遍的で拘束力のあるスキームを検討し、将来世代のための人権制度を発展させる必要がある。そのために世界人権裁判所の可能性について議論しようというもので、まだ裁判所制度の構想にはなっていない。すべては、これから。                                                                                  欧州には欧州人権条約と欧州人権裁判所がある。米州人権裁判所、アフリカ人権委員会などの例がある。アジアには人権条約も人権裁判所もないので、その議論が必要だが、アジアは広すぎて難しい。と思っていたら、世界人権裁判所の構想だ。                                                                                                 個人による戦争犯罪や人道に対する罪を裁くための国際刑事裁判所をつくるのに国際社会は半世紀かかった。世界人権裁判所もいったいどれだけかかるかわからないが、そのための議論を始めておくことは大切だ。