Saturday, March 01, 2014

ヌシャテル美術博物館散歩

ヌシャテルは3度目だ。15年程前にはからくり自動人形を見に、美術博物館にも行った。3年程前には城とヌシャテル湖めあてだった。今回ふたたび美術博物館を訪れた。展示は、以前とは若干変わっているものの基本は同じだった。ヌシャテルの歴史(主にスイス連邦加盟の経過や、産業)、からくり自動人形、地元の工芸や生活、そして美術だ。サント・クロワやラ・ショー・ド・フォンなど、この地域はスイス時計産業の中心地で、同時に自動人形やオルゴールの産地でもある。ヌシャテル美術博物館には、オルゴールを弾く女性の人形と、ペンで時を書く少年の人形があり、有名だ。                                                                    美術の部屋は、印象派を中心とした近代西洋美術で、ボナール、セザンヌ、コロー、クールベ、ドガ、ゴーギャン、キスリング、マチス、モネ、ピサロ、ルノアール、ルオー、スーラ、シニャック、シスレー、ロートレックなど。小品がそれぞれ1~3点。モネの水上の船のアトリエの絵は貴重。マイヨールとロダンも1点。マイヨールはレーマーホルツにある裸婦像のミニチュアだ。ロダンはバルザック頭像。                                                                      地元の歴史展示の所に、地元画家の紹介もあった。テオフィル・ロベール、グスタフ・ジャンネレなどが有名とのことだが、1点だけ、ジャンヌ・ロンバールという女性画家。初めて聞く名前で、全く知らなかった。英語の解説はほんのわずかのみで、「スイス芸術家協会は男性だけで、女性は排除されていたので、1902年、スイス女性芸術家協会が作られ、1908年、ジャンヌ・ロンバールは協会ヌシャテル支部のメンバーになった」とあるだけ。売店には、ヌシャテル美術博物館発行のしっかりしたカタログがあったが、これには前記のボナール、セザンヌなどだけが収録されている。表紙はモネの船のアトリエ。女性は登場しない。近代絵画は男の視線で出来上がっているから、女性が登場するのは、主に裸婦像として、だ。しかし、受付で聞いてみたら、ちゃんと、あった。地元の出版社が発行した画集『ジャンヌ・ロンバールとヌシャテルの女性アーティスト(1908-2008)』(ロテリエ・ロマンド、2008年)。フランス語だし、値段は高いし、どうしようかと思ったが、買ってきた。ジャンヌの自画像、静物画、人物画など40点ほど、それ以外の地元女性アーティスト20人ほどの代表作。ジャンヌ・ロンバール(1865-1945年)、どこかで紹介しよう。と、その前に画集フランス語解説を誰かに読んでもらわなくては。                                                         ティチーノのSan Carlo, Delea,2009. 以前ルガーノで見つけたやつ。