宮津大輔『アートxテクノロジーの時代』(光文社新書)
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IT、AI、SNSなどめざましい技術革新を前に、アートに何ができるか。技術革新はアートやデザインにどのような影響を与えるか。その最先端の具体例が紹介されている。
作家、画家、彫刻家、デザイナー。時に集団作業がなされるにしても、特定の個人名で語られてきたアートだが、いまやアート創造企業が大胆にして意欲的な特筆すべき作品群を生み出している。アートとテクノロジーを総合するには、個人よりも企業の方が利点があるからだ。
チームラボ
タクラム
ライゾマティクス
ザ・ユージーン
いずれも世界的に活躍するアート創造企業で、目の覚めるようなアイデア、夢と感動の美、伝統と現代と未来の総合、マクロからミクロまで世界への挑戦を続ける。その作品群は、多彩であり、驚きであり、偶然と必然の産物である。
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著者はアート・コレクター、横浜美術大学教授。広告代理店で広報や人事を担当しながら、現代アートを収集し、独自の学問分野を切り開いてきた。内外の最先端のアート事情を紹介し、さらに先へと進む推進力ともなってきた。小さな新書にたまらない魅力がギュッと詰まっている。