クウェート政府が人種差別撤廃委員会93会期に提出した報告書(CERD/C/KWT/21-24.
19 April 2016)によると、人種主義に基づく思想の流布は2012年の国家統一に関する法律19号によって、人種憎悪及び差別の表現又は暴力行為の教唆として、犯罪とされている。
第1条は、いかなる表現手段であれ、次の行為を禁止している。社会集団に対する憎悪や侮蔑の唱導や煽動、宗派主義の挑発、人種、集団、皮膚の色、国民的民族的出身、宗教又は血統の優越性に基づくイデオロギーの促進、暴力行為の煽動、虚偽の噂の流布。この禁止はクウェート領域外で行われた行為にも適用される。
第2条により、第1条の違反について、刑罰は7年以下の刑事施設収容及び/又は1万ディナール以上10万ディナール以下の罰金である。付加刑として、表現媒体、資金、新聞等の没収が伴う。第3条は法人が行った場合の刑事責任を規定する。
差別と人種主義を煽動するプロパガンダが許されないことは、1962年の集会解散に関する法律24号で定められていた。同法27条は、同法の重大違反を行った集団を解散させる権限を社会問題・労働省に付与した。31条は同法違反の刑罰を50ディナールの罰金としていた。
1970年の刑法改正の法律30号により、国家の社会経済秩序を不法な手段で転覆しようと宣伝する集団を禁止していた。そのような集団を組織した個人には15年以下の刑事施設収容が課される。