Saturday, February 13, 2016

市民が明らかにした福島原発事故の真実

彩流社ブックレット 1
海渡雄一著, 福島原発告訴団監修『市民が明らかにした福島原発事故の真実  東電と国は何を隠ぺいしたか』(彩流社)
35年間にわたって、もんじゅ訴訟、六ヶ所村核燃料サイクル訴訟、浜岡原発訴訟、大間原発訴訟など原発関連訴訟多数を担当してきた著者である。脱原発弁護団全国連絡会共同代表として、311後の東京電力の責任追及、原発運転差止のための訴訟多数を担当している。
本書では、東電元幹部3名を強制起訴に追い込み、全国の原発再稼働差し止め訴訟を担当する著者が、東電が隠蔽してきた数々の不都合な真実をわかりやすく解説している。東電も日本政府も検察庁も、まだまだ多くの事実を隠しているが、その一部が露見してきた。検察審査会決定を読み解いて、驚くべき真実に迫る。東電首脳は、福島沖の巨大津波の可能性をしり、対策が不可欠であるとし、対策を「決定」したにもかかわらず、後にそれを覆したのである。これまで、「東電首脳は決定を先送りしてきた」という嘘が並べられ、私たちは騙されてきた。事実は、対策を決定したにもかかわらず、コスト等の理由からそれを転覆し、対策を取らないことにしたのだ。このためにメルトダウン事故が起きた。にもかかわらず、その後、東電幹部も検察庁もこの事実を隠蔽してきた。
検察審査会の起訴強制により、検察官役の指定弁護士が選ばれた。福島原発刑事訴訟支援団も設立。真相解明と有罪判決を実現し、原発体制を突き崩す次の一歩が始まった。
1章 真実は隠されていた
2章 あらかじめ警告されていた、福島の津波
3章 対策先送りの背景に隠されていたこと
4章 津波対策をとることは決まっていた
5章 保安院にも15メートルの津波は報告せず
6章 貞観の津波をめぐる保安院と東電の暗闘
7章 対策が不可避であったことは共通認識だった
8章 東電幹部の刑事責任は明らか
9章 原発再稼働と闘う