Wednesday, April 29, 2026

現職自衛官による自民党大会での「君が代」歌唱に抗議する

の丸君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市会議は、下記の抗議声明を、自民党総裁 高市早苗、統合幕僚長 荒井正芳、内閣総理大臣 高市早苗それぞれに送りました。

 

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自民党総裁 高市早苗 殿

統合幕僚長 荒井正芳 殿

内閣総理大臣 高市早苗殿

 

現職自衛官による自民党大会での「君が代」歌唱に抗議する

2026 4 29

の丸君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市会議

共同事務局 井知明、寺中誠、本紘太郎

 

2026 4 12 ⾃⺠党の最意思決定機関である党会において、陸上衛隊中央楽隊に所属する現職の衛官が、衛官として招かれ、衛官として登壇して「君が代」を歌唱した。

当該の衛官は、司会から「初めてとなる声楽要員として隊した」と衛隊員である分を明して紹介されただけでなく、陸上幕僚の指によってのみ着が許される正式な演奏服装(儀仗服)を着しており、会場には上司の楽隊副隊も同席していた。とうてい、衛官個の私的な為に過ぎないとする弁明が通する状況ではない。「再びの戦前の到来」がささやかれている今、⾃⺠党と衛隊の双が、「君が代」の歌唱を媒介として、相互の癒着関係を誇する意図を露わにしたものとして、事態の危険性を看過し得ない。

政権与党である⾃⺠党は、政権が強引に押し進めている武器輸出解禁や防衛費・抑⽌⼒増強路線の延線上に、衛隊の私物化を展望しての第歩を踏み出したものと強く指弾されなければならない。また、実組織である衛隊には、厳格な政治的中性が求められているところ、この点の覚に乏しく⾃⺠党・市内閣に擦り寄る姿勢をせていることが寒に耐えない。

⾃⺠党は連の経過を明らかにした上で、衛隊に違法な政治的為を求めた責任を認めて関係者を処分し、国に謝罪すべきである。また、衛隊は、隊員に衛隊法61 条1項において禁された政治的為があったことを認めて、関係者をしかるべき懲戒処分としなければならない。

衛隊法における政治活動の禁は、旧本軍の政治への介と戦争突悲劇の教訓からの規定である。この度の事態に対する、⾃⺠党・衛隊双の真摯な反省と再発防策があるまで、政権と衛隊への信頼を回復することはできない。

本件では、政権与党と衛隊とを象徴的に結びつける媒介の役割を「君が代」が担った。「国歌唱に問題はない」のではなく、「君が代唱にきな問題がある」ことを無視してはならない。

1999年8 国旗国歌法の成によって、「君が代」は法的には国歌となった。しかし、当然のことながら同法に国に対する「国旗・国歌(の丸・君が代)」の尊重義務は書き込まれていない。「君が代」を、我が国の象徴としてふさわしい国歌と認めるか否かは国⺠⼀⼈ひとりの判断にかかっている。

客観的な歴史的事実として、「の丸・君が代」は、⼤⽇本帝国下の侵略戦争や植地主義を精神的にえた。本国憲法下の国旗国歌としてふさわしいものとはいいがたい、と考える少なからぬ意が存在する。

しかし、改憲を結党以来の党是としてきた⾃⺠党は、「の丸・君が代」が象徴する戦前の本を肯定的に捉えている。特に市総裁は政権を担い、憲法改悪、軍事強化、外国排斥、スパイ防法・情報会議の設置など「新しい戦前」へ猛ダッシュしている。

今回の事件を通じて明るみに出た事態は、現政権と与党が衛隊を抱き込み、危険な国家主義的性格をさらに歩、押し進めようとしている論みであり、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、部の奉仕者ではない(憲法15条2項)」はずの衛隊の特定勢との深い癒着である。その癒着の核に「君が代」があり、政権政党の会での衛隊員の「君が代」歌唱は、危険な軍国主義・国家主義推進を象徴する重な事態である。

これまで、学校現場では、学式・卒業式において、校が職務命令を下しての丸・君が代」「起唱」を強制し、服従しない教員には執拗な懲戒処分をはじめ不利益が課されてきた。また、起しないどもを無理理起させるなどもわれている。このような教育政は、権よりも主主義よりも、権主体としての国家こそがすべての価値の根源とする、国家主義のイデオロギーから導かれている。今回の事態は、さらに国政全体を軍国主義へ転換する危険を孕むものとして強く抗議する。

私たちは、⾃⺠党と市内閣ならびに衛隊と防衛省に、以上の抗議の意思を伝え、違法為の再現なきようしかるべき措置を求めるものである。

以上

国家に喧嘩を売る女 金子文子

 映画『金子文子 何が私をこうさせたか』(監督・浜野佐知)をようやく観た。

https://eiga.com/movie/104265/

『金子文子と朴烈』(監督・イ・ジュンイク)は素晴らしかったが、浜野監督は不満を持ったらしい。

金子文子に絞って、死刑判決から獄中での自死に至るまでの121日間を描いた本作品は、文子の思想の変遷をたどる。「菜葉菜が主演を務め、最後まで国家権力に反逆した文子の魂の叫びを体現。」とされる通り、反逆の短歌を一つの導きとして、文子の苦悩と闘いを鮮やかに描き出す。

「何が私をこうさせたか」「私は私を生きる」――山田昭次、徐京植、鈴木裕子、亀田博らが論評してきた文子の人生と思想を、いま、どのように描くのか。

「現に在るものをぶち壊すのが私の職業です。」

浜野佐知編『国家に喧嘩を売る女 金子文子』(皓星社)を受付で購入した。読むのが楽しみ。

https://libro-koseisha.co.jp/about/

私は旧著『非国民がやってきた!』(耕文社)で文子と朴烈を取り上げたが、そこでは鈴木裕子の所説を引用紹介した。

単に異端の「事件」としてではなく、日本思想史に位置付ける研究が望まれる。

映画製作に協力した亀田博は、救援連絡センターの機関紙『救援』に「大逆事件の救援史」を連載している。

Monday, April 27, 2026

【声明】 自民党大会における現職自衛官の制服着用での君が代斉唱に強く抗議する

【声明】 自民党大会における現職自衛官の制服着用での君が代斉唱に強く抗議する

 

2026424

国際人権活動日本委員会

 

 本年412日、自民党の党大会で現職の自衛官が制服(儀仗服)を着用して国歌(君が代)を斉唱した。司会の紹介でも自衛官だとされた。この行為は、自民党と自衛隊との「親密な関係」を示すことになった。自衛官の中立性を疑わせる暴挙である。また自衛官として心得るべき「公私の区別」や「公務の信用に影響を与える事への配慮」(自衛隊員倫理規程)に欠けた行動と言わざるをえない。

陸上自衛隊の最高責任者である陸上幕僚長は、この問題について414日の記者会見で、「事前に報告を受けていたが、私人としての行動だとして法令に反しない」と強弁した。しかし、現職の自衛官が、たとえ勤務外であっても、自民党の党大会に花を添えるという政治的な目的をもって、制服や階級章(国の資材)などを利用して、自衛官であることを強くアピールしたことに違いはない。これは、自衛隊法等で禁止する自衛官の政治的行為に当たり、違法であった疑いがある。事前に相談を受けて、止めなかった上官の責任は重い。

他方、学校現場では、入学式や卒業式などで、校長が職務命令を下して「日の丸を掲げ」「君が代の斉唱」の式典が挙行されている。拒否した教員には執拗な懲戒処分が課されることがある。また、起立しない生徒を無理矢理起立させるなども行われている。ところが、与党の党大会で自衛官が「君が代」を歌ったにもかかわらず、処分されていない。自衛隊法で禁止する「政治的行為」ではないからだという。教育現場では、抵抗する自由も内心の自由も否定されているのに、与党の政治集会に同調する行動は、政治的中立性をかなぐり捨てても、かまわないという扱いがされている。

このような偏頗な取り扱いが横行する先には、自衛隊を軍隊として認めて憲法に書き込み、外国人を排斥し、国民を打って一丸とする「新しい戦前」の再現につながる。

国際人権の擁護と促進を求める私たちは、今回の自衛官による自民党大会における制服着用での国歌斉唱の問題が決して「蟻の一穴」のような小さな問題ではなく、安保三文書の改定、武器輸出解禁、非核三原則の改変ないし廃棄、敵基地攻撃能力を含めたミサイル防衛網の整備、自衛官募集への地方自治体の協力要請の強化、辺野古米軍基地の建設、日米安保条約に基づく日米地位協定の見直し拒否、核兵器禁止条約の批准拒絶など、一連の軍国化の推進に連なる事態であることを憂慮し、今回の事態に強く抗議するとともに、世界すべての国民の平和のうちに生きる権利を謳った日本国憲法の遵守を強く求めるものである。

Friday, April 24, 2026

護憲ルネッサンス 共同テーブル6.4 シンポ

「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム第19

共同テーブル6.4 シンポの御案内

6.4護憲ルネッサンス

 

惨憺たる戦禍の世界で、憲法9 条はいよいよ輝いています。

 ところが、高市首相はトランプ大統領にゴマをすり、米軍が横須賀から、岩国から、佐世保から、沖縄からイランに出撃するのにまかせています。

 軍事予算は9 兆円をこえ、琉球弧を軍事要塞化し、各地に長距離ミサイルを配備し、中国を刺激し東アジアの緊張は強まるばかり。そして高市自民党は来春までに「改憲発議の目途をたてる」と叫ぶ始末。

 一方、ひとびとは「黙っていられない」と動きはじめました。多くの若者が街頭に立ち「戦争はいやだ」「9 条を守れ」とうったえはじめました。

 しかしこの声に国会は応えていません。総選挙の結果、改憲勢力が圧倒的多数を占めました。野党には「安保法制」違憲や辺野古新基地反対へのゆらぎもみられます。

 平和を求める人びとの声にこたえ、護憲の政治的な灯を力を合わせて再生しなければなりません。「護憲はお花畑」と言うがいい。

わたしたちは今こそ「護憲ルネッサンス」!「焼野原よりお花畑」を選択します。

 そのためにどうするか。大いに議論しましょう。

 

日時:64日(木)開場18時 開会1830分~2040

場所:文京区民センター3A会議室

(都営地下鉄三田線・春日スグ 丸の内線後楽園徒歩5分)

資料代 1000

主催 共同テーブル

多くの参加者が見込まれます。定員(250 名)になり次第、申し込みを締め切りますので、大変恐縮ですが、下記メールアドレスまで、出席申し込み(お名前と電話番号を記入して)をお願い申し上げます。

申込先E-mail e43k12y@yahoo.co.jp

・司会・進行:白石孝(NPO 法人官製ワーキングプア研究会理事長)

・開会あいさつ:佐高信(評論家)

・問題提起―私はこう考える:三浦 まり(上智大学教授)&ラサール石井(参議院議員)

・ワイワイトーク:会場参加者から発言。一人5 分以内で

・共同テーブル「7.18 平和推しフェスティバル」の紹介

Friday, April 17, 2026

終わらない「戦後」を終わらせるために

高橋哲哉・三牧聖子・須藤輝彦・伊達聖伸『もうひとつの戦後80年』(岩波ブックレット)

https://www.iwanami.co.jp/book/b10160897.html

<冷戦終結後、日本の「失われた30年」の長い停滞が始まった1995年に浮上した「敗戦後論」が提起した歴史認識論争を入り口に、今も未解決の諸問題を真摯に振り返る。激動する現在の世界に言葉を与える試み。>

「戦後50年」の1995年に行われた「歴史主体論争」――1948年生れの加藤典洋の『敗戦後論』、1956年生れで『戦後責任論』の著者・高橋哲哉の間で交わされた歴史認識論争は、当時、大いに議論を呼んだが、すれ違って始まり、すれ違ったまま終わったように見えた。

それから30年を経て「戦後50年+30年」をどう考えるか。202582日に開催されたシンポジウムで、1981年生れの『Z世代のアメリカ』の三牧聖子、1988年生れのチェコ・中央アジア文学研究の須藤輝彦、1975年生れの宗教学研究の伊達聖伸が、高橋とともに、「戦後80年」を論じる。

「戦後80年」という物言いは日本特有のものであり、フランスではこうした数え方をしないと述べられている。むしろ、アジアのどこでもこうした数え方はしない。それどころか、朝鮮戦争、ベトナム戦争をはじめとする数々の戦争を体験してきたアジア各国では「戦後」の意味合いは決定的に異なる。このことは必ず指摘しておきたい。

4人の論者もそんなことは承知しているだろうが、誰も口にしない。シンポジウムの参加者・聴衆は、アジアへの視線の弱い「戦後80年」をどう聞いただろうかと気になるのは私だけだろうか。

それはともかく、戦争犯罪やジェノサイドを裁く国際人道法・国際刑法の発展を、キャサリン・シッキングの「正義のカスケード」を参照しながら、歴史と記憶の問い直しを図る高橋。国際法と秩序の形成者であったアメリカが国際法を踏みにじる現状を正面から論じる三牧。加藤の元で学んだ元学生の須藤(1995年当時は小学生になったばかり)による歴史主体論争の再解釈。いずれも興味深い。

驚いたのは、伊達による「あとがき」に、「シンポのあと、高橋先生から、加藤典洋氏には結局生前は一度も直接会うことはなかったとうかがった」とあることだ。

たまたま会うことがなかったのだろうが、論争当事者の2人を直接会わせる努力がきちんとなされなかったのだとすれば、この国の「論争」の在り方を考え直す必要があるかもしれない。議論の中身もすれ違っていたが、両者が出会うことなくすれ違い続けたとすれば、残念なことである。

Thursday, April 16, 2026

哲学の可能性と不可能性

ユク・ホイ『ポストヨーロッパ』(岩波書店)

https://www.iwanami.co.jp/book/b10146259.html

<世界を覆い尽くす際限のない消費主義と、各地で激化する保守主義や他者の排除――。故郷喪失の感覚と故郷回帰への欲望に囚われた時代、哲学は何を示すことができるだろうか? アジアとヨーロッパを横断する哲学者がハイデガー、スティグレール、西谷啓治らとの対話を通して描き出す、〈ヨーロッパ化〉した惑星を超え出る思考>

1920世紀世界を支配した西洋近代(欧米)の思想と技術の総体が、戦争、気候変動、ヘイトと排外主義に陥り、危機に瀕している現在、いかにしてヨーロッパを乗り越えるか。その思想をいかに編み上げることができるか。

これまでにも多くの思想家や著述家が挑みながら、失敗を積み重ねてきたこの問いに、「宇宙技芸」と「技術多様性」のユク・ホイが挑む。キーワードは、惑星的な故郷喪失を超える「思考の個体化」であるという。

香港大学でコンピュータ工学を学び、ロンドン大学で文化理論を修め、ロイファナ大学リューネブルクで技術哲学の大学教授資格を取得し、現在はエラスムス大学ロッテルダムの哲学教授である。博士論文の審査教授はベルナール・スティグレールである。ジャック・デリダ、スティグレールの継承者でもある。

デリダも「哲学はヨーロッパ」と結論付けていたと言う。乗り越えを企図したハイデガーはギリシアに回帰したにすぎない。

かつて京都学派は西欧近代を乗り越えようとして、<近代の超克>を唱えたが、戦争とファシズムへの道を開くものであった。半世紀後に、廣松渉は<近代の超克>論を打ち出したが、大東亜共栄圏への憧れを想起させた。

そして今、東洋と西洋を体現するユク・ホイが、「ポストヨーロッパの哲学」を始めようとする。戦争でもファシズムでもなく、ウクライナ戦争のプーチンでもイラン戦争のトランプでもなく、西洋近代を終わらせることで完成させ、新たな地平の中に発展させるポストヨーロッパ。

私は『希望と絶望の世界史』(三一書房)において私なりの見取り図を描いたが、未来への展望は語りえなかった。

ユク・ホイの思想が私たちをどこへ連れ出そうとしているのか、今後も注目が必要だ。

Sunday, April 12, 2026

平和をつくるオンライン講座<第4回>

平和をつくるオンライン講座<第4回>

 

3月9日、防衛省九州防衛局は国内初の長射程ミサイルを同月31日に熊本市の陸上自衛隊健軍駐屯地に配備すると発表しました。そして9日未明、ミサイルの発射機などを健軍駐屯地に搬入しました。他国の基地などを攻撃する反撃能力(敵基地攻撃能力)を持ち、九州から中国大陸沿岸部に届くミサイルの運用が可能な状態になりました。

「敵基地攻撃」用ミサイルを配備したことで、熊本は軍事攻撃対象となりました。住民の安全は守られるのでしょうか。防衛省は住民に対する説明を拒否しています。

熊本の軍拡の現状報告と、なぜ「女たちの会」が軍拡に声を上げているのかを現地から報告します。

4月27日(月)19時~21時

私が軍都熊本で声をあげるわけ

講師:海北ゆきこ

平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本 事務局長

戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク共同代表

1968年熊本市生。高校卒業後渡米。カリフォルニア州アダルトスクール(難民語学学校)在学中、友人刺殺事件、人種差別を経験し、社会活動へ。その後、再渡米するも20019.11をきっかけに翌年帰国。現在は医療通訳の仕事の傍ら、外国人労働者支援、平和活動をしている。20232月、軍拡によって生活が脅かされ、搾取され、虐げられてきた地方の声を上げるために「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」を結成する。

 

参加無料

希望者は、4月25日までにEメールで申し込んでください。

ZOOMURL)をお知らせします。

 

主催:「無防備地域をいま、改めて考える」実行委員会

090-4092-8581(土橋)、070-23071071(前田)

ZOOM申込み先:E-mail: akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp

E-mail: akio-t@e-mail.jp