小沢隆一『時代に挑む日本国憲法』(新日本出版社)
https://www.shinnihon-net.co.jp/general/product/9784406069779
第1章 今、憲法を守り活かすことの意義
第2章 「戦後八〇年」と日本国憲法──その歴史的意義
第3章 せまる「戦争の危険」と憲法九条についての省察
──核兵器の廃絶とアジアの平和をどう構想するか
第4章 大軍拡に抗する憲法と財政民主主義
第5章 選挙と議会を市民にとりもどせ
第6章 学問の自由と民主主義について
第7章 「この時代」と日本国憲法──今を見すえ明日を望む
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前著『日米核軍事同盟と憲法9条』に続く著者の日本国憲法論である。
現状分析が中心に見えるが、近代憲法の歴史的形成を踏まえつつ、憲法の原理・原則として平和主義、民主主義、権力分立の意義をていねいに敷衍し、日本国憲法の意義を再確認する。その上での現状分析である。
著者の姿勢に揺るぎがないのは、憲法の平和主義や民主主義を支え、実現するのは市民の力であり、憲法研究者が果たすべき責任に大きなものがあるという確信があるからだ。専門研究書でも一般向けの著作でも手抜きなしの真向勝負という性格を確認できる。たまには少し力を抜いたら、と外からは見えるが、何しろ、菅義偉首相から日本学術会議任命を拒否された当事者である。その裁判闘争も続いている。力が入らないはずがない。
とはいえ、握りこぶしで闘い続けていると言うわけでもない。「原爆」との出会いから美術の夏休みの課題が「失敗作」に終わったエピソードなどをはさみながら、憲法学者としての責務に正面から向き合う。
本書の醍醐味は第4章の財政民主主義論である。憲法違反の大軍拡を、戦略やイデオロギーのレベルで批判するだけではなく、財政民主主義に違反することを実に丁寧に明らかにしている。
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第4章 大軍拡に抗する憲法と財政民主主義
一 大軍拡のための財政法──防衛財源確保法の法構造
二 防衛財源確保法と防衛力強化資金の異常性
三 予算原則を踏みにじる防衛財源確保法と防衛力強化資金
四 その他の財政紊乱の状況
五 大軍拡下での防衛予算の編成・執行状況──二〇二三~二五年度
六 新規契約の中身
七 二〇二五年度予算補正と二六年度予算編成
八 あらためて日本国憲法の財政原則の意義を確認する
九 私たちは大軍拡にどう向き合うべきか
安倍晋三以後極度に加速した軍拡路線への憲法的批判はもちろん数多いが、財政民主主義視点からの徹底解明は多くはない。憲法改悪阻止の運動の現場で普及し、ともに学ぶべき1冊だ。本書の定価は2090円だが、第4章を読むためだけでも2090円は安いお買い物だ。
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多彩な憲法読本にじっくり学ぶ
https://maeda-akira.blogspot.com/2026/05/blog-post_14.html