Friday, May 14, 2021

スガ疫病神首相語録36 偉大な政治家名演説シリーズまとめ

新型コロナと東京五輪を巡って世論が賑やかとなり、政権は動揺を続けている。メディアも視聴者も、膨大な情報が流れて溺れそうになっているにもかかわらず、肝心のことは何も分からない状態に飽き飽きしている。

こういう時こそ偉大な政治家が名演説をぶって、局面を打開し、時代を変え、歴史に名を残す時である。

以下には名演説の数々を収録した。日本の未来は明るい。 

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スガ疫病神首相語録01「ご挨拶して失礼するつもりだった」

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スガ疫病神首相語録04「お答えは差し控えます」

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スガ疫病神首相語録06「思います、思っています。」

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スガ疫病神首相語録08「仮定の質問には答えられない」

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スガ疫病神首相語録09「しっかり説明する」

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スガ疫病神首相語録11「後手後手」

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スガ疫病神首相語録14 スガ劇場満員御礼

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スガ疫病神首相語録18 首相長男接待

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スガ疫病神首相語録23 トーキョーに電話

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スガ疫病神首相語録26 イシンのセカンドステージ

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スガ疫病神首相語録29 東京に来ないで

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スガ疫病神首相語録31 ヨセキの文化

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スガ疫病神首相語録33 命が大事

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Wednesday, May 12, 2021

スガ疫病神首相語録35 こてん古典シリーズまとめ

パロディ作家としては、何か一つのパターンに徹して極めるのも一案だ。川柳に徹するか、ショートショートに徹するか。

極めるほどの自信がないため、あれこれと手を出してきた。四字熟語あり、故事成語あり、源氏物語あり、方丈記あり。

古典を借用したが、かなりスベッているのもあるので、こてん古典シリーズとした。

といいつつ、ヨコジュンからのパクリだ。

さて、ヨコジュンのこてん古典を知っている人はどのくらいいるだろうか。

*横田順弥『日本SFこてん古典』(集英社文庫)

 

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スガ疫病神首相語録03 「自助、共助、公助」

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スガ疫病神首相語録05「国民の誤解を招いたとしたら」

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スガ疫病神首相語録07 「粛」

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スガ疫病神首相語録12 「失礼じゃないでしょうか」

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スガ疫病神首相語録16 「若い人、女性はいないか」

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スガ疫病神首相語録17 「透明性」

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スガ疫病神首相語録20 先手のスガ

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スガ疫病神首相語録22 輝ける接待天国

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スガ疫病神首相語録24 五箇条の誤誓文

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スガ疫病神首相語録28 長恨歌より

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スガ疫病神首相語録32 決断と無常

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国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画(4)

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

4 関連する行為者を招集する

 

おおよそ次の内容。

 

行動9:招集し、見直す

・国レベルで国連をヘイト・スピーチに対処・反対する招集者とし、国家行為者や非国家行為者と協働し、エンパワーする役割を果たすようにする。閣僚、国会議員、独立の人権機関、メディア、市民社会組織との協働。

・鍵となる行為者がヘイト・スピーチに対処・反対することを効果的にできるようにし、戦略と国際人権法に従って、その機会をつくりだす。

・ヘイト・スピーチへの関心と適切な対応を見直す。国際人権法に合致してるか。被害者の権利、特に意見・表現の自由を認識する。社会的構造的要因を認識する。その国に固有の文脈で適切な地域の言葉を用いる。

 

行動10:調停や専門家の助言を採用し、連帯をつくり出す

・国レベルで独立の調停者や専門家の役割を確認し、促進し、ヘイト・スピーチや差別の煽動につながる緊張を高める集団間の不和や紛争を解決する。

・鍵となる行為者の間の連帯とネットワークをつくり出す。

 

 5 新しいメディアと伝統的メディアに関与する

 

行動11:メディアとのパートナーシップ

・国レベルで伝統的メディアや新しいメディア、特にオンライン・プラットフォーム、ジャーナリスト組織や組合、市民社会組織とのパートナーシップをつくり出し、オフラインであれオンラインであれ、意見・表現の自由と平等と非差別の権利を尊重しつつヘイト・スピーチに対処する。

・地方レベルでパートナーシップを強化するためグローバルなメディア・コンパクトを採用する。

・国内メディア規制者との連携を強化する。

 

行動12:メディアの独立性と多元性を促進する

・独立、多元的、包摂的なメディアの重要性を国レベルで公衆に理解できるようにする。

・国内当局が表現の自由のための環境を整える。情報へのアクセス権に関する法整備と履行。インターネットへのアクセスの普遍化。プライヴァシーとオンラインの個人情報の保護。ジャーナリストの情報源の秘匿を保護する法整備。

・政府にメディアの自由を保護するため環境整備するよう促す。ジャーナリストの自由や編集者の独立性を尊重する。メディアへの統制や圧力など直接間接の制約に反対する。選挙期間中にメディアが自由に報道する権利の保護。

・メディアの独立性、多源性、多様性を促進する公的政策と枠組みを政府が履行するよう促す。メディアに統制を行う機関の説明責任と透明性。不利益な地位にある集団がメディアに普遍的にアクセスできるようにする。メディアを設立する権利の点で非差別原則。マイノリティ、先住民族その他の集団がメディアを保有すること。メディア保有の多元性、過度の集中の排除。集団間の対話を促進する多様性。マイノリティの言語の利用への制限の見直し。

 

行動13:自己規制と倫理的ジャーナリズムの促進

「責任あるジャーナリズム」という言葉で、ジャーナリズムに恣意的制限や違法な制限を課すことのないようにする。

・メディアの自己規制、ジャーナリズムの専門家としての行動綱領の履行。

・すべての公的メディア及び私的メディアに、社会的責任と自己規制を。職場が多元的で包摂的となること。多様なコミュニティからの情報と声を伝える。個人や集団に対する差別や否定的ステレオタイプの危険に警鐘を鳴らす。社会における多元的な集団を報じる。差別や否定的ステレオタイプが引き起こす害悪に注意を喚起する。

・公共放送において個人や集団についてのステレオタイプを回避し、集団間の理解を促進し、多様な集団を平等な社会構成員として描く番組を放送する。

・私的メディア組織・企業、オンライン・ソーシャルメディア・プラットフォームに国際人権法と「ビジネスと人権に関する指導原則」に合致するように促す。

・メディア企業とオンライン・プラットフォームがユーザーにファクトチェックを提供するよう促す。

 

行動14:ジャーナリストとメディア労働者の保護

・ジャーナリストの安全に関する国連行動計画の履行を促進する。

・次のような場合、公的言説を通じて明確に非難する。ジャーナリストやメディア労働者に対する拷問、殺害、強制失踪、恣意的逮捕、恣意的拘禁、排除、傷害、脅迫、ハラスメントなどの攻撃・暴力。名誉毀損や侮辱法を濫用して過剰な刑事制裁を課すことによるジャーナリストに対する検閲。ジェンダーに基づく差別のような、女性ジャーナリストに対する攻撃。ジャーナリストに対する政治家、公務員等による脅迫。

・各国にジャーナリストの安全に関する国際人権法を実施できるよう支援する。

・国内、地方及び外国人のジャーナリストの移動の自由の支援。

 

行動15:メディアの能力(容量)形成

・メディア専門職のための職業計画のような、メディア能力形成戦略を促し支援することによって、ヘイト・スピーチに対応し、集団間の理解を促進することができるようにする。

・紛争やジェンダーに敏感な報道に関するメディア能力形成戦略を促し支援することにより、緊張をエスカレートさせず、集団についての否定的なステレオタイプに反対する。

デジタル監視法案の参議院本会議の可決・成立に強く抗議する 法律家・法律家団体の抗議声明

                                                                                                2021年5月12日

デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク

共謀罪対策弁護団 共同代表 海渡雄一
秘密保護法対策弁護団 共同代表 海渡雄一・中谷雄二・南 典男
社会文化法律センター 共同代表理事 宮里邦雄
自由法曹団 団長 吉田健一
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 上野 格
日本国際法律家協会 会長 大熊政一
日本反核法律家協会 会長 大久保賢一
日本民主法律家協会 理事長 新倉 修
三宅 弘 元総務省行政機関等個人情報保護法制研究会委員 弁護士
平岡秀夫 元法務大臣・元内閣官房国家戦略室室長 弁護士
青井未帆 学習院大学教授
池本誠司 元消費者庁参与 弁護士
右崎正博 獨協大学名誉教授
白藤博行 専修大学教授
晴山一穂 専修大学名誉教授

 

1 デジタル改革関連法(デジタル監視法)の成立に強く抗議する

本日、参議院本会議において、デジタル改革関連6法案(デジタル監視法案)が、自民党、公明党、維新の会、国民民主党の賛成多数により可決・成立した。

デジタル監視法案は、そもそも1000頁を超える64本の膨大な束ね法案であり、しかも、その法案の内容が、本年29日に国会に提出されるまで、政府内部で秘匿されて一切不明であった。法案提出後も資料の誤りが多数発覚するなど不備が続いたが、衆・参両院の審議時間は、あわせて50数時間に過ぎず、新型コロナ感染症拡大による緊急事態宣言のもとで苦しむ市民が、国会審議により、法案の全体像や問題点を十分に理解しその採否を判断する暇さえ与えなかった。

かかる法案提出の仕方や審議経過は、国権の最高機関で唯一の立法機関とされる国会(憲法41条)のはなはだしい軽視であり、民主主義の原理に悖るものであって、強く批判されなければならない。

さらに、デジタル監視法案の内容自体も、個人情報の保護を後退させ、憲法の保障するプライバシー権(憲法13条)を侵害し、三権分立や法律による行政の原理に違反して官邸によるデジタル独裁にも繋がりかねない危険があることから、我々法律家は、当初よりこれに反対してきた。

アジャイル型組織としてデジタル庁を通じての内閣総理大臣によるデジタル情報の国家独占管理体制となる危険や、自己情報コントロール権の確立には程遠い不十分な内容であることは、以下のとおり、この間の国会審議でも明らかとなっており、我々は、デジタル監視法の成立に、強く抗議する。

 

2 情報コントロール権が明記されず、個人情報保護を後退させる危険があること

人は監視されていると感じると、自らの価値観や信念に基づいて自律的に判断し、自由に行動して情報を収集し、表現することが困難になる。すなわち、プライバシー権(憲法13条)は、個人の尊重にとって不可欠な私的領域における人格的自律を実現するとともに、表現の自由の不可欠な前提条件となっており、立憲民主主義の維持・発展にも寄与する極めて重要な人権である。高度な情報化社会でデジタル化を推進するためには、プライバシー権の保障を徹底し、自己情報コントロール権を確立し、個人情報の取得、保有、利用、提供、廃棄のすべてに情報主体である個人の同意原則を徹底することが不可欠である。

今回成立したデジタル監視法は、情報コントロール権を明記せず、個人情報保護を後退させて、市民のプライバシー権を侵害し、国家による監視を強化し、表現の自由を萎縮させて民主主義を危機に陥れる危険のある欠陥法である。

共通仕様により、国の諸機関や地方自治体からデジタル庁に集積された膨大な個人情報が、権利主体の同意なく、企業や外国政府を含む第三者に提供され、目的外使用に供される危険がある。我々が特に危惧するのは、警察がデジタル庁・内閣情報調査室を経由して、内閣総理大臣としての権限でアクセスすることができ、パソコン操作によるわずかな手続のみで、自由に個人情報を取り出せる仕組みができるのではないかということだ。

改正個人情報保護法69条(利用及び提供の制限)の規定によれば、必要性、相当性があれば、個人の同意なく情報の利用・提供が可能である。この条文は改正前と同じであるから、我々の危惧は杞憂であると政府は答弁する。しかし、政府は、相当の理由や特別の理由ありとする個人データ共同利用について、個人情報保護法の要件を限定する野党修正案にすら応じなかった。個人情報の利用・提供が、厳格に制限される保証は全くない。また、すべての情報が共通仕様化されて一元管理が可能となる前と後では、同じ条項の意味合いは大きく変わるであろう。

参議院審議の中で、与党側が推薦した参考人宍戸常寿東大教授は、「データの利活用によって監視に使われやすい仕組みには危惧がある。公共の場所での顔認証などは全面的に禁止するなどの措置が望ましい」との意見を述べている。しかし、センシティブ情報の保有を禁止するなどの措置は取られておらず、個人の同意なく政府や警察が取得できる個人情報の種類や範囲を限定する規定も存在せず、むしろ、保護の対象となる個人情報を、「容易に」特定の個人を識別できるとする定義に統一改訂することにより後退させている。

政府・警察による違法な個人情報の収集・保有、プロファイリングや利用などの怖れはないと、政府は答弁しているが、これまでも、内閣情報調査室が文科事務次官であった前川喜平さんや望月衣塑子記者らの行動を監視していたことが明らかになっている。今後、市民や法律家がプライバシー権の侵害が本当にないか不断に監視し、後述する独立の監視機関の設置を求めていくことが必要である。

 

3 地方自治体による個人情報保護の為の取り組みを後退させてはならない

デジタル監視法は、これまでの分権的な個人情報保護システムの在り方を根本から転換し、国による統一的な規制を行おうとするものである。このような制度は、各公共団体において、住民との合意のもとで構築してきた独自の個人情報保護の在り方を破壊し、公共団体による先進的な個人情報保護制度の構築を後退させるものになりかねない。

デジタル担当大臣によって、「リセットする」と曖昧に答弁された個人情報保護条例の共通ルール化について、政府は、「法令委任事務以外は、別途アドオンして、必要に応じて標準準拠システムと情報連携が可能となる標準仕様とする。それでも独自サービスが提供できない場合、標準準拠システムの必要最小限度のカスタマイズはやむを得ないが、できるだけそのようなカスタマイズがなくても独自サービス提供可能となる対応をしたい。」と答弁された。しかし、自治体の独自の規制を維持するための財政的な裏付けも示されていない。

今後、個人情報保護委員会を通じて、自治体を指導監督するとされたが、自治体において収集した個人情報をどのように管理するかは、自治事務の一環であり、国がこれを一方的に支配・統合することは、地方自治の本旨(憲法92条)、条例制定権(憲法94条)に違反するものである。委員会による指導監督が自治体の優れた個人情報保護政策を抑制することになれば、条例制定権を侵害するものとして、厳しく弾劾されなければならない。

 

4 強大な権限を持つデジタル庁は独裁機関の危険がある

デジタル庁設置法によれば、デジタル庁は内閣直属の組織とされ、その長は内閣総理大臣である。このほかにデジタル大臣や特別職のデジタル監等を置くとされている。

しかし、最初からこのような組織が構想されていたわけではない。昨年101日の朝日新聞記事によれば、デジタル庁の位置づけは①復興庁のような内閣直轄②内閣官房③内閣府④内閣官房に司令塔部分、内閣府にシステム構築部分を並立、の4案を検討していたことが明らかになっている (2020101日朝日新聞記事「首相の目玉「デジタル庁」の準備室発足 調整事項は山積」より)。トップを役人出身の長官にするか、大臣を置くかどうかすらもが議論されていたのである。

また、政府答弁によれば、デジタル庁は、発足時は500人程度で、非常勤職員が128人、その多くは民間企業からの出向だとされる。しかも、庁内には、局も課も置かれないアジャイル型組織とされる。必要に応じて活動内容を迅速に変えていくことができるとされるが、行政組織としてきわめて特殊で不透明な組織構成だ。構成員がトップと直接的につながるアジャイル型組織は、内閣総理大臣によるデジタル情報の国家独占管理体制につながる危険性については、国会審議によっても払拭されなかった。

また、このような体制で、本当に情報の漏洩が防げるのか、行政と巨大IT企業の癒着によって行政が歪められるおそれはないのか、国会審議によって多くの疑問が解消されたとは到底言えない。

デジタル庁は内閣府ではなく、内閣に置かれ、トップは総理大臣である。そして、デジタル大臣は、特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができ、行政機関は、当該勧告を十分に尊重しなければならないとされている。これは時限組織である復興庁にしかなかった規定であり、全省庁の中で抜きんでた権限が与えられている。デジタル庁が独裁機関化する危険性は国会審議でも払しょくされなかった。

先にあげた準備段階の議論を見る限り、デジタル庁と内閣総理大臣に、かかる異質で強大な権限を与える必要性は存在せず、普通の組織にし、独裁機関化させないためには、金融庁や消費者庁などと同様に、内閣ではなく内閣府(の外局)に置き、デジタル庁の長は内閣総理大臣ではなく特命担当大臣であるデジタル大臣とし、デジタル大臣の勧告についての尊重義務の規定はなくすよう、改正を求めていくべきである。

 

5 個人情報保護委員会の権限と組織の強化が不可欠である

このような強大な権限を持つデジタル庁の創設によって、プライバシー侵害が現実のものとならないようにするために、民間だけではなく、行政機関や地方自治体も一元的に管理することとなった個人情報保護委員会の組織を、少なくとも公正取引委員会並みに、常時800名程度の職員と各地方事務所を有する組織に拡大強化することが必要である。

権限についても抜本的に強化されなければならない。まずは犯罪捜査と外交防衛分野について、どのような個人情報ファイルが作られているか、個人情報保護委員会に事前に通知する必要がないとする規定を改めることが必要である。

附帯決議によれば、相当の理由や特別の理由による個人データ共同利用ついては、個人情報保護委員会が行政機関を監督するとされているが、個人情報保護委員会の権限が勧告に留まるならば、適正な監督は不可能である。個人情報保護委員会による指導監督は、地方警察をも含む警察情報全般に及ぶことになる。それゆえ、特定有害活動(スパイ行為等)や共謀罪捜査の名の下に行われる個人情報の収集やプロファイリングに対しても、不正を糺す徹底した指導監督がなされるべきである。指導監督が勧告権限の行使を持ってしては不十分であることが明らかとなれば、個人情報保護法の更なる改正による個人情報保護委員会における行政機関に対する立入調査権や命令権限が認められるべきなのである。

個人情報保護委員会の国会に対する年次報告も、従来のものでは全く不十分である。すべての行政機関、警察、地方自治体を対象とする厳格適正な調査とその結果の詳細な報告が、国会に対してなされる必要がある。

6 情報機関の監督強化のための新たな機関の設立が必要である

アメリカには、特定秘密の指定を是正する複数のシステムが機能しており、いったん特定秘密に指定された情報の多くが、一般に公開されている。また、ドイツやオランダには、情報機関の集めた情報を見て、不適切な情報が秘密指定されていればこれを公開させ、あるいは、誤った個人情報が収集されていればこれを訂正させる権限を持ったさまざまな国家機関が活動している。

わが国においては、特定秘密保護法に関連して設立された政府・国会の機関は十分機能しているとはいえない。国家公安委員会と地方公安委員会の監督は、公安警察活動に対しては機能していない。内閣情報調査室、公安調査庁や自衛隊情報保全隊の活動についての監視システムは存在しない。日弁連などは、これまでも、情報機関(日本には CIA のような中央情報機関はまだないが、公安警察、自衛隊の情報保全隊、法務省の公安調査庁、内閣情報調査室などの情報機関がある。)の活動、特定秘密指定などについて、政府から独立した監視機関を設立する必要があることを提唱してきた。公安警察や自衛隊情報保全隊などの情報機関の活動については、法律により厳格な制限を定め、また個人情報保護委員会とは別個に、独立した第三者機関による監督が必要である。この機関が、職権で、特定秘密や情報機関の集めた情報、デジタル庁に集約された情報等の中身まで見て、是正の勧告や命令までできる機関であることが必要である。

 

最後に

今回成立してしまったデジタル監視法は、以上のとおり、日本の民主主義と人権保障の未来を大きく左右する法律である。デジタル独占監視体制となっていないか、個人情報保護委員会の活動が適切に行われているかなど、市民と法律家の監視を強め、必要な法改正を要求し、必要な改正がなされないときは、法律の廃止を求めていく粘り強い運動が重要である。法律家と市民の協力により、政府によるデータの恣意的濫用を許さず、引き続き自己情報コントロール権の確立を要求し、この法律をデジタル「監視法」にさせない運動を継続していく決意を述べて、抗議声明の結びとする。

以上

Monday, May 10, 2021

スガ疫病神首相語録34 替え歌シリーズまとめ

替え歌パロディは、みんなが知っている歌でないと難しい。

「お座敷小唄」は有名曲なので使ってみたが、若い人には知らないほうが多いようだ。

「およげ!たいやきくん」は今でも売上日本一のようだ。

「スガボロフェア」は、我ながら傑作と思ったのだが、英語のためかあまり評判は良くなかった。残念。

「無策(与作)」はストレートで、わかりやすかったらしく、結構いい反応。

逆に「プカプカ(パプリカ)」は反応が鈍かった。

「東京COVI-19音頭(東京五輪音頭)」は五輪がテーマだけに良いタイミングだった。

さて、次はどんな替え歌にしようか。

すぐに思いつくのは、スガゆかりだと横浜だ。

ブルーライト横浜、横浜たそがれ、伊勢佐木町ブルースか。

でも、スガって、とても横浜チックに見えないが。

 

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スガ疫病神首相語録02  (お座敷小唄)

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スガ疫病神首相語録10  (およげ!たいやきくん)

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スガ疫病神首相語録13 スガボロフェア(スカボロフェア)

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スガ疫病神首相語録15  (待ちぼうけ)

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スガ疫病神首相語録19  (Let It Be

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スガ疫病神首相語録21  無策(与作)

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スガ疫病神首相語録25  プカプカ(パプリカ)

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スガ疫病神首相語録27 We are the VirusWe are the World.

https://maeda-akira.blogspot.com/2021/04/we-are-virus.html

 

スガ疫病神首相語録30 東京COVI-19音頭(東京五輪音頭)

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国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画(3)

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

2 ヘイト・スピーチの原因、運搬者、実行者に対処する

 

おおよそ次の内容。

 

行動4:原因、運搬者、実行者の認定

・戦略を既存の国連政策・人権分析に統合する。

・監視結果に基づいて、ヘイト・スピーチの先導的な煽動者/発言者/流布者を認定する。国家行為者なのか、非国家行為者なのか。その国の文脈の中で、憎悪表現の背後にある同期を確認する。政治目的、アイデンティティ要因や保護される特徴に基づく不平等、不処罰、歴史的または現在の苦情原因、経済的不平等、自由な空間がないこと、オンラインの抑制解除等。

・ジェンダーに関連するヘイト・スピーチの原因、運搬者、実行者の認定。

・交差性のヘイト・スピーチのパターンの認定(複数の要因に基づくヘイト・スピーチ)。

・ヘイト・スピーチに対する先導的な反対者の認定。国家行為者及び非国家行為者。社会におけるその地位。

 

行動5:原因、運搬者、実行者に対処する

・ヘイト・スピーチに対処・反対する既存の国家及び非国家イニシアティヴを確認し、支援する。女性団体、青年団体、学校のサークル等も。

・以下のプロジェクト、計画、活動を支援する。原因となるヘイト・スピーチ運搬者への対処。相互尊重、社会的結合、包摂、多様性の促進。論争的な意見を闘わせるフォーラムの提供。ヘイト・スピーチに反対する語り、代替する語りの情報交換を促進する。ヘイト・スピーチに対処・反対する個人のリスクを評価し、低減する。

・平和と安全保障領域でのヘイト・スピーチへの対処。よき実例、紛争予防、対話、信頼形成、選挙支援、平和構築、女性と青年のエンパワーメント。

・公衆に信頼され、影響を与える個人への支援。宗教指導者、コミュニティ指導者、政治指導者、国家当局、ソーシャル・メディアのインフルエンサー等。ヘイト・スピーチに反対する言説。

・政党が、その代表者の行動に関して倫理ガイドラインを作成し、実施する。

・移行期の正義(司法)や社会的結合の促進に関するプロジェクトや計画の支援。

・国家レベルでヘイト・スピーチに反対する市民社会グループの能力支援。専門的知見や財政での支援。

・適切かつ可能な場合、暴力的過激主義を予防し、これと闘う国家努力との協働による効果。

 

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

3 ヘイト・スピーチ被害者を励まし支援する

 

行動6:被害者との連帯

・ヘイト・スピーチの被害者との連帯を迅速に表明する。特に差別、敵意、暴力の煽動の原因となるヘイト・スピーチの場合、被害者との連帯表明を。被害者の代表と面会し、その証言や意見を聞くこと。適切な場合には、伝統的メディアやオンライン・メディアを通じて、公的言説を行い、被害者が受ける被害について語ること。

・被害者が声を出せるように支援する。公的フォーラムにおけるアジェンダ設定に被害者を招き、発言できるようにする。

 

行動7:報復的ヘイト・スピーチや暴力のエスカレーションに反対する

・ヘイト・スピーチ事件が起きた後、報復的ヘイト・スピーチや暴力のエスカレーションの可能性についてリスク評価を行う。

・ヘイト・スピーチの運搬者を認定し、集団間の対話を促進し、理解を深めることで、暴力の脅威を減らし、社会的緊張を鎮める。

 

行動8:被害者の権利とニーズが支援されるようにする

・表現の自由に関する国際人権法の観点からヘイト・スピーチに関する国内法を分析する。必要な場合は法改正を行う。

・反差別法の枠組みを強化して、国際人権法に合致させる。

・差別、敵意、暴力の先導事件が起きたと報じられたら独立かつ公正な捜査を行う。刑事犯罪に当たる場合は刑事訴追を行う。

・適正手続き、および被害者・証人の保護を促進する。

・ヘイト・スピーチの被害者・証人の保護を促進し、付随的被害を避ける。

・適切な場合、戦略的訴訟を支援する。ラバト行動計画の6つの要件に合致する事案。表現の自由に関する国際人権法に合致しない法に関連して。

・民事制裁や行政制裁の促進。

・ヘイト・スピーチ被害者支援における非法的救済の促進。

・立法機関、独立の人権機関、市民社会組織による、ヘイト・スピーチと闘う現行法や政策の見直し。

・ヘイト・スピーチの被害者への悪影響、および国際人権法において可能な救済についての公的議論の支援。

・ヘイト・スピーチの被害者のためのサービスを提供するよう政府に支援する。精神的カウンセリング、医療、住居、社会サービスを含む。

Saturday, May 08, 2021

スガ疫病神首相語録33 命が大事

5月8日、東京五輪問題で、五輪中止を呼びかける署名運動のさなか、水泳の池江璃花子に五輪反対表明を要請する書き込みがなされ、池江が「苦しいです」と表明するなど、議論となっている。署名運動を呼びかけた宇都宮健児は、五輪中止は政治家に呼びかけるもので、アスリートは辛い立場に置かれているのに、と指摘。

他方、IOCは世界からの五輪参加選手用にワクチン提供を公表。一般人よりも五輪選手に優先接種するのか、と話題に。ここでもアスリートに辛い選択を迫る構図が。

 

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表ユリコ――池江さんが誹謗中傷されているようで、大変よ。

裏ユリコ――そうみたいね。

表ユリコ――多くのアスリートが困惑してるし、国際ニュースになったみたい。

裏ユリコ――困ったわね。日本の評判にさしつかえるわ。

表ユリコ――日本の評判じゃなくって、池江さんたちアスリートが万全の態勢で五輪に臨めなくなるわ。

裏ユリコ――そうみたいね。五輪開会式の妨げになると困るわ。

表ユリコ――だから、あなたもここで一言メッセージを発しておかなくては。

裏ユリコ――それはどうかしら。

表ユリコ――だって、あなた都知事じゃない。

裏ユリコ――でも、もう市川海老蔵さんが「池江さんを応援します」と言ってるし、登山家の野口健さんも「アスリートに刃を向けるな」って。

表ユリコ――だから、あなたもメッセージを出すのよ。

裏ユリコ――今頃出しても目立たないわ。

表ユリコ――五輪中止を求める世論がこれ以上強くなると困るでしょ。早いとこ都知事のメッセージが必要よ。

裏ユリコ――そうね、五輪開会式は何としてでも開催しなくっちゃ。

表ユリコ――世論調査では7割が中止を求めてるって。

裏ユリコ――世論はなんとでもなるわ。ちょっと餌を撒けばマスコミが協力してくれるから。

表ユリコ――新型コロナ緊急事態宣言が5月31日まで延期になって、下手をすると6月になってもワクチン接種は進まないようよ。

裏ユリコ――インドでは毎日40万人が感染。40万人の感染を判定できるとは、なんてすごい能力なの。日本なんて数千人しか判定できないのよ。シンゾーの馬鹿がPCR検査1万人とか豪語してたけど、1年たっても実現できない。

表ユリコ――そんな状況だし、ワクチン接種は世界最低レベルだし。

裏ユリコ――大丈夫よ。ワクチンが少しでも進んでさえいれば、あとは仕掛け次第。口先だけのタローでも「運び屋」くらいはできるし。

表ユリコ――参加選手の確定や選手団の派遣から言って、6月上旬の決定はぎりぎりよ。

裏ユリコ――まだまだ余裕よ。五輪開会式7月下旬なんだから。

表ユリコ――でも、中止決定は6月じゃないと。

裏ユリコ――いいのよ、五輪開催は決定事項なんだから、おバッカ会長は中止なんて言えないわ。セイコもタマヨもおつむ空っぽだし。

表ユリコ――このまま五輪開催に突入する訳?

裏ユリコ――五輪中止はが決定するの。

表ユリコ――やっぱり中止も選択肢よね。

裏ユリコ――だから、が決定するのよ。一番効果的な時期を読んで、ぎりぎり最後の最後に都知事が涙の記者会見。一世一代の晴れ舞台よ。

表ユリコ――スガ首相が中止って言ったらどうするの。

裏ユリコ――優柔不断のスガにそれだけの決断できると思う? ジミンのしがらみの中で何も決断できるはずないわ。

表ユリコ――でも、あなたが早く中止って言わないと、このまま7月下旬の開催まで時間はあっという間よ。

裏ユリコ――だから、五輪開会式はやるのよ。

表ユリコ――五輪開会式はやるって、どういうこと?

裏ユリコ――開会式はね、世界中が注目するメインイベントなの。開会式でが開会宣言する時の演出は2年がかりで準備したのよ。

表ユリコ――五輪開会宣言はたしかにハイライトね。

裏ユリコ――リオの時は嘘つきシンゾーがマリオに扮して世界中の話題をさらったわ。

表ユリコ――やられた、って思った。

裏ユリコ――今回はが主役よ。前例のないサプライズで世界をアッと言わせるのよ。シンゾーやスガに餌を取られたりしないよう、万全の準備。だから開会式だけは実施しないと。

表ユリコ――開会式だけは、って?

裏ユリコ――開会式で豪華絢爛、史上最高の演出で開会宣言をするの。

表ユリコ――それで?

裏ユリコ――翌朝、新型コロナ禍のため、都知事が涙の五輪中止記者会見。やっぱりが主役(うっとり)。

表ユリコ――まさかの逆転劇ね。でも、世間が納得するかしら。

裏ユリコ――五輪よりも“”が大事よ。ユリコ・ファーストですからね、の政治生“”が最優先。

国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画(2)

Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

 1 ヘイト・スピーチの監視と分析

 ここでは3つの行動が語られる。おおよそ次の内容。

 

行動1:ヘイト・スピーチ、傾向と影響の認識

・関連するスタッフが戦略をよく理解し、国際人権法の下でヘイト・スピーチに適切に対応することを確保する。ラバト行動計画や表現の自由と平等に関するカムデン原則。

・明確な組織的情報枠組みが戦略の履行を支えることを確保する。国レベルでSMART目標を設定する。特別な(specific)測定できる(measurable)達成可能な(achievable)関連性のある(relevant)期限を定めた(time-bound)目標。

・国レベルで戦略を履行するため国内実行組織を設置、又はより小規模な焦点を設定する。監視、保護、公開情報機能、定例会議、履行措置に関する報告が重要である。

・国連フィールド・プレゼンスとインターネット企業、ソーシャル・メディア・プラットフォームの間で鍵となる対談者となる特別な立場を設定する(ヘイト・スピーチに関する国際人権法と基準に関する高度の研修を受けた個人が役割を果たすべきである)。

・情報管理官にヘイト・スピーチに関する国際人権法と基準に関する研修を行う。

・戦略を履行するための文書・教材を配布する。

・国連事務総局と連携して、定期的にヘイト・スピーチの状態を継続的に更新情報とする。

・国連事務総局のヘイト・スピーチ作業部会などに報告を行う。

 

行動2:監視と情報収集

・オンライン及びオフラインのヘイト・スピーチの監視に関する国レベルの原稿の活動を見直す。

・国レベルのヘイト・スピーチの文脈(歴史的、政治的、社会経済的、集団間の緊張等)の基礎研究など、国レベルの評価と危機分析。

・国レベルのメディア、地方レベルのメディア、オンライン・プラットフォームなどあらゆる情報分野で、ラバト行動計画で示された6つの指標に基づいた明確な方法論の採用。

・文脈依存的な方法でヘイト・スピーチを監視する。独立国内人権機関、市民社会組織、専門家、関係者の貢献。

 

行動3:分析

・国レベル、地域レベル、地方レベルでの発生パターンを確認するため、ヘイト・スピーチの質的量的分析を行う。

・地域の毎月ごと、四半期ごとのヘイト・スピーチ傾向の継続的な統合分析。

・ヘイト・スピーチの煽動者、標的・被害者、公衆、反対者、影響に関して、ヘイト・スピーチ傾向のジェンダー分析。

・ソーシャル・メディア、・プラットフォームがとった措置に関して、ヘイト・スピーチと闘う効果的な戦略について良い事例の共有。

国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画(1)

2020年5月、アントニオ・グテレス国連事務総長は「国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画」を決定し、公表した。その概要を下記で紹介した。

前田朗「国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画」『部落解放』805号(2021年)

「戦略と行動計画」本体は数頁の文書であるが、これを補充する文書として「国連ヘイト・スピーチ戦略と行動計画――国連フィールド・プレゼンスのための履行に関する詳細ガイダンス」(20209月、全52頁)が国連のサイトに公表された。重要文書であるので、そのエッセンスを紹介したい。

関連する条約や国際人権文書には次のようなものがある。

1965年の人種差別撤廃条約第4条

1966年の国際自由権規約第20条2項

2012年の国連人権高等弁務官事務所・ラバト行動計画

2012年の人種差別撤廃委員会・一般的勧告第35号

2017年の国連人権高等弁務官事務所・「権利のための信仰に関するベイルート宣言」

2020年の国際自由権委員会の「平和的な集会の権利に関する一般的勧告第37号」

目次

事務総長まえがき

要約

 序文――共通アプローチ

 ヘイト・スピーチを理解する

 A 戦略においてヘイト・スピーチとは何か

 B 戦略がカバーするスピーチの類型は

 C ヘイト・スピーチの深刻さをいかに理解するか

 D 戦略は国連フィールド・プレゼンスにいかに関連するか

 戦略の13コミットメントの履行

 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告

 1 ヘイト・スピーチの監視と分析

 2 ヘイト・スピーチの原因、運搬者、実行者に対処する

 3 ヘイト・スピーチ被害者を励まし支援する

 4 関連する行為者を招集する

 5 新しいメディアと伝統的メディアに関与する

 6 テクノロジーの利用

 7 ヘイト・スピーチに対処し反対する手段としての教育

 8 ヘイト・スピーチの原因と運搬者に対処する平和で包摂的で正当な社会を促進する

 9 擁護者の関与

10 外部コミュニケーションのためのガイダンスを開発する

11 パートナーシップを活用する

12 国連職員のスキル形成

13 国連加盟国の支援

13のコミットメントに27の行動が設けられ、行動が数項目あるため、全体として107項目となっている。

「Ⅱ ヘイト・スピーチを理解する」までは、ラバト行動計画など既存の文書に依拠している。

「Ⅲ 戦略の13コミットメントの履行」「Ⅳ 戦略の13コミットメント履行のための行動要点と特別勧告」は本文書の新しい部分である。

Thursday, May 06, 2021

スガ疫病神首相語録32 決断と無常

5月6日、スガは新型コロナ禍の緊急事態宣言延長の方向性を明らかにした。厚労相は宣言解除はできず、延長が必要としたのに対して、閣内では経済情勢悪化を理由に宣言解除を求める声も出たという。最終的にスガの判断で決着することにした。責任から逃げることなく、自らの判断を適時に示すスガは、決断する首相である。

感染防止対策のため人の流れを止める秘策はGOTOトラブルであったが、それがうまくいかなかったので2度目の宣言となった。年明け以後は、人の流れを止めるために東京五輪の聖火リレーを各地に走らせ、札幌ではマラソンテスト大会を強行した。ゴールデンウィークの観光地はかなりの賑わいとなった。スガは記者会見で「人の流れが減ったのは事実ではないでしょうか」と他人事で語った。これでいいのだ。どうせ感染は止められない。止めるつもりもない。

必要なことは、大事な時に決断する首相イメージを演出することだけである。「やってる感」ではユリコに勝てないので、「やってない感があっても要所要所できちんと決断してる感」を出すことに腐心しているところである。

 

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ゆくコロナの流れは絶えずして、しかも、もとのコロナにあらず。各地に浮かぶ変異型は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。たまげた都のうちに、棟を並べ、甍を争へる。高き、卑しき人のいのちは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありしいのちはまれなり。或は、去年入院して今年退院せり。或は、一家滅びて空き家となる。

住む人も、これに同じ。所もかはりて、渋谷梅田には人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わずかに一人二人なり。朝に死し、夕にも死するならひ、ただコロナの型にぞ似たりける。

知らず、型を変えるコロナ、いづかたより来りて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか、目を喜ばしむる。人とコロナと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。或は、人死してコロナ残れり。残るといへども、朝日に枯れぬ。或は、コロナはしぼみて人なほ消えず。消えずといへども、夕べを待つことなし。

ヘイト・スピーチ研究文献(176)ミャンマーのジェノサイド

稲角光恵「旧ユーゴスラビア紛争に関するICJジェノサイド条約適用事件から考えるミャンマーのジェノサイド疑惑を審理する上での課題」金沢法学62巻2号(2020年)

1 ミャンマーのジェノサイド疑惑について国際責任を追及する動向

2 旧ユーゴスラビア地域のジェノサイド罪容疑に関する国際的な司法判断

3 先例から考えるICJでミャンマーのジェノサイド疑惑を審理する場合の課題

2017年に70万と言われる難民を出したミャンマーのロヒンギャ迫害について、国連人権理事会の調査報告書はジェノサイドと人道に対する罪が起きた都市、ガンビアはICJ国際司法裁判所にジェノサイド認定を求めてICJに提訴した。人権NGOやジャーナリストもジェノサイドと人道に対する罪の発生を訴えている。

稲角は、旧ユーゴスラビアの民族浄化等についてのジェノサイド事件で、ICJがジェノサイドの認定をしなかった判例を分析する。ICJは、旧ユーゴスラビア国際刑事法廷ICTYの判決と裁判資料に依拠して判断した。ICTYは個人の刑事責任を認定する事案を処理したので、立証の水準が高い。特にジェノサイドについては通常の故意とはことなる「ジェノサイドの特別の意図」が必要である。国家責任を認定する事案で個人の刑事責任と同じ法理を適用したことになる。

同じ考え方をミャンマー事件に適用した場合、ロヒンギャに対するジェノサイドが行われたこと、特にその特別の意図があったことを立証しなければならずハードルが高い。管轄権や立証責任などいくつもの法的ハードルがあるため、ICJがミャンマー事件にジェノサイドの成立を認定するのは難しいのではないか、と推測できるという。

ICTYでもICCでも、検察官はジェノサイドの特別の意図の立証に制約のある場合、ジェノサイドで起訴するのではなく、人道に対する罪で起訴してきた。ジェノサイドで無罪判決が出た場合の影響の大きさを考えると、人道に対する罪での起訴もやむを得ないといえるだろう。

国連人権理事会でのミャンマー事件報告書はその都度見ていたが、ガンビアのICJ提訴について私は見ていなかった。また、ジェノサイドの有罪判決については、ルワンダ・ジェノサイドについてのルワンダ国際刑事法廷ICTRの有罪判決が先行したので、私はそちらを追いかけてきた。ICTRICCは見ていたが、ICTYのジェノサイド判決を自分で読んでいなかった。稲角はICTY判決を参考にICJの動向予測をしているので、私の知らない部分であり参考になった。

個人の刑事責任を認定する文脈と、国家責任を解明する文脈とでは、ジェノサイドの成立要件が異なることもありうると私は思うが、ICJICTYと同じレベルで考えたという。ただ、稲角によると、ドイツで裁かれたヨルジッチ事件でドイツの裁判所は民族浄化にジェノサイドの成立を認めたが、これについて欧州人権裁判所もドイツ裁判所と同じ広い定義を肯定したという。欧州人権裁判所は、ICJICTYとは異なる法解釈を展開したという。この意味では国際司法におけるジェノサイドの解釈にはまだまだ変動の可能性がある。

なお、今年の軍部クーデターによって情勢が大きく変わったので、今後の予測はつきにくい。

Sunday, May 02, 2021

奴隷制ノート02

2018年の国連総会73会期に提出された奴隷制の現代的諸形態に関する特別報告者Urmila Bhoola報告書のテーマは「ジェンダーに基づく不平等、女性の人権の侵害、奴隷制の現代的諸形態」であった。2019年の国連人権理事会42会期に提出されたBhoola報告書のテーマは奴隷制克服のための戦略を練る分析であった。

かつて国連人権委員会の時期には、人権小委員会に奴隷制の現代的諸形態に関する作業部会が設置されていた。1990年代に日本軍性奴隷制についての議論を行った作業部会である。2006年に国連改革が行われ、国連人権理事会が設置され、2007年の決議によって奴隷制の現代的諸形態に関する特別報告者が設置された。200814年はGulnara Shahinian1420年はUrmila Bhoola(南アフリカ、元裁判官)が特別報告者であった。2020年にTomoya Obokata(キール大学教授)が任命され、初の男性になった。

奴隷制の現代的諸形態に関する特別報告者の報告書を、時々眺めてきたが、以前と違って日本軍性奴隷制問題を取り上げていないため、きちんと読んでこなかった。

国連総会73会期に提出された奴隷制の現代的諸形態に関する特別報告者の報告書(A/73/139. 10 July 2018)(全21頁)をごくごく簡潔に紹介しておこう。

ブーラは「奴隷制の現代的諸形態の火に油を注ぐのは抑圧と不平等の交差する諸形態である。人種、民族、カースト、社会的経済的地位、年齢、障害、国籍、性的志向、ジェンダー・アイデンティティ、移住者の地位のような諸要因の帰結である。」と始める。ILO2017年に発表した「現代奴隷制の世界分析――強制労働と強制結婚」に基づいて、およそ4000万人が奴隷制、2500万人が強制労働下に置かれていると推測しているが、この数値は過小評価の可能性があるという。被害者の57.6%が女性と少女である。2016年に奴隷制の現代的諸形態の人権侵害を受けているのは71.1%が女性と少女である。ブーラは国連諸機関、ILO,NGOによる多くの報告書に基づいて奴隷制の現代的諸形態の現状を確認する。

法政策的枠組みについて、ブーラは、国連社会権委員会の一般的勧告20号、国際自由権規約委員会と女性差別撤廃委員会の見解を基に検討する。古くは1926年の奴隷条約、1956年の奴隷廃止条約、最近では2000年の越境組織犯罪条約を補足する人身売買予防選択議定書があり、1999年の子ども労働の最悪の諸形態に関するILO条約に至る数々のILO文書がある。1995年の北京の世界女性会議の宣言・行動計画や、2015年のSDGsも含め、多様な文書がすでにある。

ブーラはジェンダー要因として、経済政策、グローバリゼーション、差別的法と慣行、ジェンダー・ステレオタイプに言及した上で、分野別に検討を行う。すなわち、農業、服飾産業、電子工場、宿泊・飲食業、家事労働・介護労働のそれぞれについて国際的な情報を紹介する。

次にブーラはジェンダー帰結として司法的救済にアクセスできないことを強調する。

グローバリゼーションについては、商品と資本の運動にとって前例のない機会を創り出し、生産品を最も廉価にし、企業利益を最大化するために国境を越えるようになった。2002年の女性の経済的社会的文化的権利に関するモントリオール原則が経済のグローバリゼーションに対するジェンダーの影響を示している。グローバリゼーションは女性が人権を平等に享受することを妨げ、ジェンダーに基づく暴力からの自由を妨げる。ネオリベラルのグローバリゼーションと女性に対する暴力の間の因果関係は、奴隷制の現代的諸形態における搾取を通じて、労働市場におけるジェンダー差別の帰結として、インフォーマルな雇用への女性の集中とともに、多くの文献で指摘されてきたという。

服飾労働について、世界の服飾産業で60007500万人が働き、そのうち75%が女性と推測される。ILOによると、服飾産業は異なる諸国にまたがる産業であり、女性化された産業であり、女性が低技能にとどめおかれるという。インドのテキスタイル産業における強制労働のジェンダー形態の調査によると、80%が女性である。バンガロールの服飾産業に関して、服飾産業労働組合の調査によると、被害を受けやすい状態での虐待、賃金に関する欺罔、労働条件の欺罔、宿舎の移動の禁止、暴行脅迫、劣悪な就労条件、劣悪な生活条件が報告されている。

タミルナドゥ州の調査によると、貧困地域の周縁化されたダリット共同体から14歳の少女が徴募されている。契約書もなしに非健康的な条件で長時間労働を強いられ、賃金支払いが滞り、ボーナスの約束をして労働者を職場につなぎとめる方法がとられている。移動の自由は厳しく制約され、労働組合は無視されている。

ブーラは結論として、奴隷制の現代的諸形態根絶のためのジェンダー枠組みの創設に向けて多くの勧告をまとめている。国連に対して、各国に対して、企業に対しての勧告である。奴隷制禁止のための国際文書、特に1930年の強制労働条約の2014年の議定書、2011年のILO家事労働条約、女性差別撤廃条約及び選択議定書の批准。労働における暴力やハラスメントに関連するILO条約の批准。2015年のSDGsの目標8.7のための政策。ビジネスと人権に関する指導原則の適用等々。

奴隷制ノート01

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