Tuesday, September 22, 2020

ヘイト・クライム禁止法(184)モンゴル

モンゴルがCERDに提出した報告書(CERD/C/MNG/23-24. 12 November 2018

2015年の刑法は2017年7月1日に発効した。司法大臣命令A/58に従って、CERD勧告に従って刑法改正を行う作業部会を設置した。2017年5月11日に刑法改正法が制定された。改正刑法は次の内容である。第14章「個人的政治的権利・自由に対する犯罪」に、14.1条「差別」、14.2条「情報を求め受け取る権利のご妨害」、14.3条「表現と報道の自由の権利侵害」、14.4条「良心と宗教の自由の権利妨害」。

14.1条は、その国籍、民族、言語、人種、年齢、ジェンダー、社会的背景・地位、富、職業、職位、宗教、意見、教育、性的志向、健康状態に基づいて諸個人の権利と自由に対して差別し、制限すると、450以上5400以下の単位の罰金、又は240以上720時間以下の社会奉仕、又は1月以上1年以下の旅行禁止で処罰される。

刑法19.9条の「国民統合の妨害」は犯罪である。人々の間に国民、民族、言語、人種又は宗教的敵意及び憎悪を掻き立てるプロパガンダ、及び分離主義、差別、虐待、権利の制限、又は特権の設定を助長し、唱道する活動を組織することは、5年以上12年以下の刑事施設収容である。

人種主義ヘイト・スピーチと闘うため、人種主義表現の犯罪化はもっとも重大な事件に限られ、重大でない事案には刑法以外の手段で対処する。

司法大臣命令A/243に従って2017年9月25日に設置された作業部会は、改正刑法、刑事訴訟法、訴追法、判決執行法等の実効的な実施を確保する任務を有している。

前回審査の結果としてCERDはモンゴルに裁判情報の報告を勧告したが、人種的動機に基づく犯罪事案は報告されていない。国民統合の妨害犯罪も報告事案はない。民族集団間の紛争が若干あるが、民族紛争の至る重要問題は生じていない。ナショナリズムを主張する民間団体が18団体、警察に登録されている。そのうち8団体、ダヤール・モンゴル、ツガーン・カス、タイラン・ツヴル・チョノ、カス・モンゴル、ノグーン・カス、クーク・モンゴル、ボソー・クーク・モンゴル、モンゴル世界緑連名が活動しており、200名余りの支持者がいる。

民間団体がNGO法第6条に従って登録している場合、裁判所は、目的に合致しない活動をしたり、法律違反を繰り返したときに、NGOを解散できる。

刑法第9条は法人の責任を定める。裁判所は一定の場合、権利停止、解散、財産没収を科すことができる。

当局は、話題となっているダヤール・モンゴルを解散させていない。

2017年10月12日の司法大臣命令A/257に従て設置された作業部会は、NGO法改正を任務としている。NGOの登録と監視を見直している。

CERDがモンゴルに出した勧告(CERD/C/MNG/CO/23-24 .17September 2019

条約第4条に従って人種主義ヘイト・スピーチを禁止する規定を現行法に含めるよう改正すること。国民統合を妨害する事に関する刑法規定を、民族的マイノリティや条約によって保護された集団がマイノリティに認められた権利を主張することを妨げるような解釈や適用をしないようにすること。人種差別を助長又は煽動する団体を禁止し、解散させる規定に関してNGO法改正規定を条約第4条に合致させること。人種憎悪や人種的優越性を助長する団体を違法都市、禁止する法律を効果的に適用すること。