Friday, December 27, 2024

ヘイト・クライム禁止法(219)ボツワナ

ボツワナが人種差別撤廃委員会CERD108会期に提出した報告書(CERD/C/BWA /1722. 21July 2020

サイバー犯罪・コンピュータ関連犯罪法第二一条と第二二条は、コンピュータシステムを通じて人種主義的又は排外主義的データを生産、流布、いそうすること、及びコンピュータシステムを通じて送信された人種動機の中傷を犯罪とする。これらの犯罪には四万プラ以下の罰金及び/又は二年以下の刑事施設収容が課される。

刑法第九四条二項に「民族的出身及び世系」は含まれていないが、サイバー犯罪・コンピュータ関連犯罪法の「人種主義的又は排外主義的データ」の定義には「人種、皮膚の色、世系、国籍、民族的出身、種族又は宗教」が含まれている。

人種主義活動を犯罪とする法規定はない。これまで人種主義活動に財政支援した事案が発生したことはない。しかし、このための法改正が不可避であると認識している。反テロ法と財政インテリジェンス法は人種主義活動への財政支援に適用可能である。反テロ法第二条は、政治、イデオロギー、宗教的原因に言及している。

二〇一九年の財政インテリジェンス法第二五条は、政府がテロリスト集団とビジネス関係を取り結ぶことのないよう規制している。

人種動機を刑罰加重事由とする法規定はないが、裁判所は量刑に際して常に人種動機を刑罰加重事由として考慮する。

二〇〇六~一九年、人種差別関連の裁判事例はない。条約第四条が規定する行為について、警察、オンブズマンに申告された事件はなく、訴追や判決もない。観光産業において人種主義や人種差別の報告があるが、警察やオンブズマンに申告がなされていない。

人種差別被害者への補償について、実際の報告はないが、刑事訴訟法第三一六条一項は、裁判を通じての個人補償を定めている。

CERDがボツワナに出した勧告(CERD/C/BWA/CO/17-22 .14December 2022

ヘイト・スピーチ/クライムに関する法律を条約第四条に合致させること。刑法第九四条二項の人種差別の定義に「民族的出身及び世系」を組み入れて、こうした行為の配布を犯罪化すること。次回の報告書において、ヘイト・クライム/スピーチを禁止する法律の履行について詳細な情報を報告すること。