Wednesday, December 10, 2025

深沢潮を読む(9)結婚とは、家族とは

深沢潮を読む(9)結婚とは、家族とは

深沢潮『かけらのかたち』(新潮社、2018年)

このところ高市首相の台湾有事発言などへの抗議を続けてきた。

12月6日の東京新聞こちら特報部

https://www.tokyo-np.co.jp/article/453810

12月7日、中国中央テレビ

https://content-static.cctvnews.cctv.com/snow-book/video.html?item_id=11870995765803578417&t=1765088547434&toc_style_id=video_default&track_id=D27326E1-FFA1-4D0E-A859-4957B338A221_786782548079&share_to=wechat

129日、東京新聞こちら特報部

https://www.tokyo-np.co.jp/article/454626?rct=tokuhou

『かけらのかたち』は深沢の第9作である。前作は本格的長編だったが、本書はふたたび深沢お得意のロンド形式に戻った。第1作の『ハンサラン 愛する人びと』以来、連作短編の形式で、結婚や家族について考えさせる。

「マドンナとガガ」に始まり「マミィ」に至る6つの短編を繋ぐのは、学生時代のテニス部のマドンナだった優子。テニス部時代の仲間たち、思い出、その後の20年以上の歳月、それぞれの夫婦の物語、子どもたちを、順次取り上げていく。今を生きる市井の人々の暮らし、意識が鮮やかに描き出される。

愛、友情、信頼、憎しみ、嫉妬が、ありきたりなのに、それぞれの夫婦や家族の形を織りなす。平凡な市民が抱える悩みが、人間の普遍的な悩みである。

おそらく深沢は年々、歳月を積み重ねる中で、このテーマとスタイルを追究し続けるだろう。