Tuesday, September 17, 2013

国連人権理事会:平和への権利セミナー

16日午後1~3時、国連欧州本部・第23会議で、平和への権利セミナーが開催された。主催は、コスタリカ、ヴァチカン(Holy See)、マルタ騎士団(Order of Malta)。参加者は100名を超えていた。事前に国連人権理事会のボードに出た案内では「平和への権利」だったが、当日の正式文書では「平和と人権」となっていた(ここが一番重要なのだが)。議長はマリア・テレーゼ・ピクテ・アルタン(マルタ騎士団)。発言者は、シルヴァノ・トマシ(司教、ヴァチカン)、フラヴィア・パンシエリ(人権高等弁務官代理のアシスタント)、クリスチャン・ギヨメ・フェルナンデス(コスタリカ大使、国連人権理事会平和への権利宣言作業グループ議長)、ニコラ・ミシェル(元国連事務総長法律顧問)、ミシェル・ヴューティ(マルタ騎士団ジュネーヴ代表代理、元赤十字国際委員会)。少し遅れていったので、パンシエリ発言の途中だった。メインの報告はクリスチャン・ギヨメ報告。質疑応答では、イラクで息子を殺された人権活動家女性の体験、コンゴ民主共和国のジェノサイドを経験した男性の体験が語られ、この男性は「コンゴでは教会の存在が全く見えなかった。教会は何をする存在なのか」と非常に厳しい質問をしたので、シーンとなった。ヴァチカンが主催者の集会だ。「う~ん、ここでその質問をしても答えられないよな」と思いながら聞いていたら、ピクテ議長とトマシ司教が誠実に答えていた。誠実というのは、個人として誠実に、だ。ヴァチカンそのものの役割についてはごく一般論しか答えなかった。発展の権利と平和への権利の関係についての質問では、クリスチャンが「積極的平和と消極的平和」の文脈で答えた。安保理事会常任理事国批判の不処罰に関する質問も続いた。正義と赦しと和解をめぐる意見交換も印象的だった。OIC代表は、平和は対話に基づき、暴力は対話を断ち切るが、「保護する責任」は平和に見せかけて対話を断ち切る動きではないかと質問した。シリア問題に関連する質問だ。最後のヴューティ発言は、まもなく第一次大戦から100年、第二次大戦から70年になる。節目節目の年に、平和の意味を問い直し、国際平和を実現するための不断の努力を、とまとめた。参加者の多くは、平和への権利国連宣言の起草過程についてほとんど知らない人たちだ。入門編と言ってよいだろう。カルロス、ダヴィドは来ていなかったようだ。ミコルのみ。