8月11日、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田弓恵)は、国連人権理事会諮問委員会の議題「地方政府と人権」において次のような発言をした。
<最近、日本の地方自治体は、憲法九条の戦争放棄の趣旨をアピールする集会に公共施設利用を拒否する例がある。国分寺市では、9条の会が市民フェスティバルから排除された。大和市は、9条の会主催の集会の協賛をキャンセルした。埼玉では9条擁護の女性デモを謳った俳句が公的雑誌から削除された。公務員には憲法尊重義務がある。市民が平和について語る自由が保障されるべきである。「諸都市の人権グローバル憲章」によれば、市民は干渉されずに自己の意見をもち、多様な情報を得ることができるとしている。都市は議論と意見交換を促進するべきである。>
諮問委員会は、国連人権理事会の下に置かれた専門家委員会で、各国政府の推薦を受けた専門家18名が選挙で選ばれる。人権理事会から諮問を受けた事項について専門家として審議して、勧告を出す機関である。2008年から、毎年春と夏にそれぞれ1週間の会期で開催されている。平和への権利、スポーツとオリンピック精神における人権、ハンセン病患者の人権、腐敗と人権等を審議してきた。
「地方政府と人権」については、既に中間報告書(A/HRC/27/59)が出され、今会期において最終報告書(A/HRC/30/49)を準備している。担当は、ホダ・エルサダ委員とカトリーナ・パベル委員。
諮問委員会は8月10日に始まり、この日は参加できなかったが、「ハゲタカ・ファンドが人権に与える影響」の審議が行われた。