Sunday, June 14, 2015

シャルリ・エブド事件は考え抜かれたか(2)

ふらんす特別編集/鹿島茂ほか編『シェルリ・エブド事件を考える』(白水社、2015年)

フランス文学者・作家・翻訳者の鹿島茂、伊達聖伸、堀茂樹の編集により、雑誌『ふらんす』の特別版として出された1冊。3月11日に出ているから、緊急出版だ。編者3人による座談会「シャルリ・エブド事件はフランスの9・11か?」。そして、「わたしはシャルリ、なのか?」には、関口涼子、野崎歓、陣野俊史ら9人の文章。「なぜ、すべてはゆるされるのか?」には、小倉孝誠、野村正人、宮下志朗ら10人の文章。「どのように、テロとたたかうのか?」には、藤本一勇、港千尋、四方田犬彦ら9人の文章。事件後1か月の間に執筆されたであろう28日の文章は、さまざまな情報を提示し、さまざまな視点、観点を登記している。ジェンダー研究、比較文化研究、視覚メディア、政治哲学、フランス現代思想、中東政治、哲学、写真家、映画史。相互に矛盾していたり、かなりばらばらの印象を与えるのはやむを得ないだろう。