Thursday, August 22, 2013

ヘイト・クライム禁止法(36)

8月22日、人権高等弁務官事務所会議室で、人種差別撤廃委員会のスウェーデン報告書審査が行われた。政府代表は10人。傍聴は25名ほど。うち6名はよく傍聴しているNGOや研究者。他はスウェーデン報告書審査を聞きに来た人か。政府報告もクーツ委員の論評も、ヘイト・クライム、ヘイト・スピーチに焦点を当てていた。スウイェーデン報告書はかなり前に読んだことがあり、その時にはヘイト・スピーチはそんなに問題になっていなかったように記憶している。今回の報告書を見ると、外国人住民の記載が、特徴的だった。スウェーデンの人口は950万。外国出身は、フィンランド16万6000、イラク12万5000、ポーランド7万2000、ユーゴスラヴィア7万、イラン6万3000、ボスニアヘルツェゴヴィナ5万6000となっている。トルコ、ソマリア、レバノン、シリア出身も増えているようだ。つまりイスラム系住民が増えている。                                                                                                                   スウェーデン政府報告書(CERD/C/SWE/19-20. 5 November 2012)によると、刑法は、人種、皮膚の色、国民的又は民族的出身、宗教信仰、又は性的志向に基づく侮辱や差別を禁止する規定を持つ。一つは、16章8節(国民的又は民族的集団に対するアジテーションに関するもの。もう一つは、16章9節(違法な差別)。また、1998年の電子掲示板責任法も国民的又は民族的集団に対するアジテーションを扱っている。刑法29章2節によれば、犯罪の動機が人種差別の場合、刑罰加重事由としている。                                                                                                                                           差別煽動に関しては、国民的、民族的又はその他の集団に対する脅迫や侮辱を含むメッセージや情報伝達を口頭又は文書で流布した場合、国民的又は民族的集団に対するアジテーションという犯罪とし、2年以下の刑事施設収容とし、軽微事案は罰金としている。重大な性質と判断されれば6月以上4年以下。こうした組織に参加することは、犯罪実行の共謀、予備、未遂、共犯とされる。刑法23章4節は、実行者だけでなく、助言した場合も共犯としている。                                                                                                                 これまでに何度も報告しているため、今回の報告書では記載はあまり詳しくない。前回報告書参照と書かれている。要チェック。