Tuesday, February 25, 2014

人権とオリンピック理念

2月25日、モンブランがいつもよりよく見えた。ジュネーヴ上空は少し曇っていて、南の空が完全に晴れ上がっていると、陽の当たるモンブランの姿がくっきりと浮き上がって見える。                                                                                    国連人権理事会・諮問委員会は「スポーツとオリンピック理念を通じての人権促進」のテーマを議論した。サッカーにおけるフーリガンが典型だが、スポーツの場面でレイシズム、不寛容、排外主義が登場する。オリンピックにおいても、競争意識の激化が、他国や他民族への敵対意識に繋がったり、侮蔑発言が出たりする。そうしたことのないよう、スポーツ精神、オリンピック理念によって相互研鑽と連帯をはぐくもうという趣旨だ。委員の発言は穏当で、よくわかるが、たいしたことは言っていない。最後に、ゲストのレムケと言う人物が、ビッグビジネスを主題にした。ワールドカップやオリンピックは、国家、スポーツ産業、スポーツ団体のみならず、メディア、スポーツツーリズムを巻き込んだビッグビジネスとなっており、競争が激化し、無用な対立をあおる結果となっている。ここにどう切り込むかが重要だという趣旨。とはいえ、具体的にどう切り込むかは言わなかった。また、選手団の歌と旗が、現実には国歌と国旗にされていることについて誰も問題提起しない。あくまでも国家を基礎とする国連だから、この点は踏み込めないのだろう。国連人権機関がIOCやFIFAに物申すのはかなり難しいだろうし。となると、人種差別や民族対立の根本には目をふさいで、極端なフーリガンを非難することしかできない。それでもやらないよりはましだが。