Wednesday, March 12, 2014

パウル・クレー・センター散歩

クレー・センターにはもう10数回訪れた。90年代にベルン駅前のベルン美術館に行ったところ、クレーだらけだった。生誕の地である。クレーはドイツ国籍だが、スイス生まれスイス育ちだ。何度か美術館に通ったが、2005年、ベルン郊外にパウル・クレー・センターができた。レンゾ・ピアノの設計。単なる美術館ではない。音楽ホールあり(クレーはバイオリニストにして音楽批評を書いていた。リリーはピアニスト)、美術教室あり(クレーはもちろん美術教師)、展示ホールは2つあって、同時に2つの企画展ができる。収蔵庫と研究所もある。クレーの作品9000のうち4000がここにある。子ども時代のスケッチもあれば、クレーの指人形もあれば、写真、家族に出したはがきや手紙、クレーが使った筆やパレットもある。                                                                                                         昨年夏は「風刺絵画とクレー」がテーマで、ちょっとおもしろいものの、クレー作品が少なかった。いまは「クレーの生涯と作品」で、いわばクレー入門だ。年代順に数点展示して、クレーの生涯を追いかけていける。センター・オープン時にも同じような企画展をやったが、中身は違っている。何しろ4000点あるので、同じテーマでも多様な展示が可能だ。5%を並べるだけで凄いクレー展になる。今回も初めて見る作品がいくつもあった。超有名作品は、最後のブースに「インシュラ・ドゥルカマーラ」など数点のみ。                                                                                   2つ目のホールは閉鎖されていた。と言うのも次の展示の準備中で、案内を見ると3月14日から「チュニジア旅行」だった。クレーやマッケらがチュニジアに旅行し、そこで描いた作品など。一般に、クレーはチュニジアで光に目覚めて、画風が大きく変わり、そこから画家として認められるようになったとされている。必ずしも正確ではないことはわかっているが、一般にはそういう事になっている。そのチュニジア旅行を主題とした企画展だ。日程的に見ることができないのが残念。                                                                                   センター敷地裏側にある彫刻の庭を見てから、クレーとリリーのお墓を訪れてきた。