Friday, March 07, 2014
ヘイト・クライム禁止法(60)ロシア
ロシア政府が人種差別撤廃委員会73会期に提出した報告書(CERD/C/RUS/19. 23 October 2006)によると、2002年の連邦法第114-FZは過激主義を犯罪として定め、人権と自由を保障している。連邦法第114-FZ第1条は次のような定義を掲げている。
・暴力や、暴力に出るよう訴えて、人種的民族的又は宗教的対立や社会的不調和を煽動するための活動の計画、組織、準備、実行する団体、組織、マスメディア及び個人。
・イデオロギー的政治的人種的民族的憎悪又は敵意、又は特定の社会集団に対して向けられた憎悪又は敵意に動機を持つ大規模騒乱、フーリガン、蛮行を行うこと。
・宗教に対する姿勢、又は社会的人種的民族的宗教的言語的理由に基づいて、市民を排除し、又は優越性・劣等性を唱道すること。
・ナチスの装備品やシンボルを公然と掲げること。
・ナチスの装備品やシンボルを掲げる行為を公然と呼びかけること。
連邦法第114-FZは、以上の行為を行う過激主義団体に対して、裁判所が解散命令を出すことが出来るとしている。
2002年改正刑法第282条1項は、イデオロギー的政治的人種的民族的憎悪又は敵意、又は特定の社会集団に対して向けられた憎悪又は敵意に動機を持つ犯罪の計画又は実行のために組織された団体を、過激主義団体としている。
改正刑法282条2項は、過激主義団体を自発的に退会した者には刑事責任を問わないとしている。他方、公的地位にある者については刑罰加重事由としている。
2004年5月、連邦検事総局は、反テロ法による調査を強化する命令第一三号を出し、すべての市民が平等に民族、人種、宗教の権利を享受できるようにしている。過激主義犯罪の捜査のために、国家統計を作成し、公表している。
ロシア報告書の主な内容は過激主義やテロリズムに関するもので、そこにヘイト・クライム、ヘイト・スピーチが含められている。