Monday, March 17, 2014
ヘイト・クライム禁止法(65)ドミニカ共和国
ドミニカ共和国が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/DOM/12. 8 June 2007)によると、憲法第八条六項は、表現の自由を定めている。「何人も、事前検閲なしに、自己の意見を、文書又はその他の表現手段によって、画像や口頭の形式で、自由に表現できる。表明された意見が他人の尊厳や道徳、公共の秩序、又は社会の道徳原則に対する脅威となる場合、法律によって定められた刑罰が適用される。匿名であれ、その他のいかなる表現手段によるものであれ、法の破壊を煽動する国家転覆宣伝は禁止される」。憲法第八条七項は、公共の秩序に違反しない限り、結社の自由を認めている。
意見の表現に関する法律六一三〇号第三三条二項は、特定の人種又は宗教のメンバーである人々の集団への中傷がなされた場合、住民に憎悪を煽動する意図があれば、一月以上一年以下の刑事施設収容及び二五以上二〇〇ペソ以下の罰金としている。統計や適用事例は示されていない。
人種差別撤廃委員会はドミニカ共和国に対して次のような勧告をした(CERD/C/DOM/COO/12. 16 May 2008)。委員会は、議会で審議中の改正刑法草案に人種差別に対する制裁規定があるが、まだ採択に至っていないことに留意する。刑法改正においては条約第四条及び一般的勧告一五号(一九九三年)を十分に考慮するよう勧告する。委員会は、レジャー施設などの公共の場における人種差別の報告があることに関心を表明する。公共の施設・場所の利用が人種、皮膚の色、国民的又は民族的出身を理由に否定されることのないように勧告する。そうした差別に対して改正刑法草案に規定を設けるよう勧告する。