Sunday, March 16, 2014

ヘイト・クライム禁止法(63)ドイツ

ドイツ政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/DEU/18 31 January 2008)によると、インターネットの普及によって極右勢力とそのシンパによる活躍領域が広がり、捜査に苦労しているという。                                                                                       条約第4条(a)について、刑法第86条が反憲法的団体に宣伝流布を犯罪としている。第86条(a)は、ナチスなど特定の政党や組織のシンボルの使用を禁止している。刑法第130条の民衆煽動罪の規定は、極右の外国人排斥と闘うためのドイツ刑法で最重要な規定である。刑法第129条は人種憎悪や人種差別を正当化する団体を禁止している。刑法第131条は、暴力を賛美する文書を流布することを処罰するとしている。2002年6月の国際刑法に違反する犯罪法典により、刑法第130条が改正され、憎悪煽動文書の流布にメディアやインターネットを通じた流布も含まれるようになった。                                                                                2000~2004年の犯罪統計が紹介されている。刑法第86条の有罪判決は、383件(2000年)、438件(2001年)、447件(2002年)、422件(2003年)、402件(2004年)である。圧倒的に男性が多いことと、20%近くが青年(18~20歳)であることも示されている。刑法第86条(a)の有罪判決は、467件(2000年)、707件(2001年)、631件(2002年)、591件(2003年)、590件(2004年)である。報告書は犯罪件数が増えていると評価しつつ、2002円がピークだったとしている。                                                                                                      刑法第130条1項の有罪判決は、186件(2000年)、329件(2001年)、330件(2002年)、297件(2003年)、246件(2004年)。刑法第130条2項の有罪判決は、32件(2000年)、85件(2001年)、94件(2002年)、49件(2003年)、47件(2004年)。刑法第130条3項の有罪判決は、7件82000年)、44件(2001年)、17件(2002年)、18件(2003年)、24件(2004年)。ここでも報告書は2001~2002年に一つのピークがあったと言う。なお、この時期、刑法第129条及び第129条(a)の統計はない。                                                                                           2003年9月、ミュンヘンで極右テロリスト組織が解散させられた。ナチス的政権を復興するため、ドイツの現行社会秩序を廃棄するために爆弾闘争をする目的の組織であった。2003年11月にミュンヘンのユダヤ文化センターを攻撃する計画を持っていたが、発覚した。バヴァリア最高裁は、2005年4月から5月にかけて、指導者と7人のメンバーをそれぞれ7年、及び1年4か月の刑事施設収容とした。                                                                                                          2005年3月7日、ブランデンブルク高裁は、あるテロリスト組織の指導者と9人のメンバーに、8か月以上4年6か月以下の少年施設収容を言い渡した。2003年7月に組織された「自由団」という名の組織であり、外国人種雄の商店やレストランを襲撃して外国人の営業を止めさせることを目的としていた。                                                                                                        2004年3月10日、連邦最高裁は、「Landser事件」として知られる事件の判決を出した。Landser音楽グループは有罪が確定した。このグループは、1997年に3人のメンバーによって結成されたが、反憲法的団体の宣伝と煽動を行うCDを製作し、流布したので、刑法第129条1項の犯罪団体と認定された。                                                                                                               条約第4条(b)について、基本法第9条2項及び私的団体法があり、刑法や憲法秩序に違反する目的や活動の団体は禁止されている。私的団体法はEU以外も含む外国人団体にも適用される。                                                                                                                          2005年末、極右団体は183あり、そのメンバーは39、000であった。1993年当時は64、500、1998年は53、600だった。1992年以来、17の団体が怪異参させられた。2000年9月、連邦内務大臣は、ネオナチ団体のドイツ血と名誉とその青年部を解散させた。                                                                                                         イスラム集団の中に人種主義、反ユダヤ主義が増えている。「カリフ国家」と言う団体の機関誌が反ユダヤの煽動記事を載せている。イスラエルを否定するハマスを支持する団体も活動していた。連邦内務大臣は、イスラム主義カリフ国、アル・アクサ協会などに解散命令を出した。